はっけつびょう
白血病(総論)
骨髄で異常な血液細胞が増殖する病気。「血液細胞のがん」にあたる
12人の医師がチェック 183回の改訂 最終更新: 2019.11.01

白血病の症状について

白血病は骨髄の中で白血球が作られる過程で細胞が「がん化」する病気です。白血病は種類によって症状の出方が異なります。ここでは急性白血病と慢性白血病に分けて、それぞれの症状について詳しく説明します。

1. 急性白血病の症状について

血液は骨の中の骨髄という場所で作られています。急性白血病になると白血病細胞が骨髄内で増殖して、赤血球、白血球、血小板などの血液細胞が十分に作れなくなって全身に症状が現れます。また、増殖した白血病細胞が臓器へ影響を及ぼして症状として現れます。

急性白血病には「骨髄性」と「リンパ性」の2種類がありますが、どちらとも以下のような症状が見られます。

  • 貧血による症状
  • 易感染性(感染症になりやすい状態)
  • 易出血性(出血しやすい状態)
  • 肝臓や脾臓リンパ節の腫れなどの症状

これらの症状について詳しく説明します。

2. 貧血による症状

日常的な言い方として、ふらつくことを「貧血」と表現することがありますが、医学的には貧血とは赤血球の中にあるヘモグロビンが少ない状態を指します。ヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を担っており、これが不足すると身体が酸欠状態になって、「立ちくらみ」、「息切れ」、「動悸」などの症状があらわれます。白血病になると骨髄で作られる赤血球の量が減ってしまうため貧血を起こします。

立ちくらみはよくある症状で、健康な人でも感じることがあるのでそのままやり過ごしがちです。しかし、立ちくらみ症状のうらには貧血が隠れていることがあるので注意が必要です。

3. 感染症による症状

免疫に関わる白血球が少なくなったり、外敵を認識し排除する抗体が少なくなることで、感染症にかかりやすくなります。呼吸器や尿路(膀胱や腎臓などの尿の通り道)に感染が起こることが多いです。呼吸器感染症では咳や痰などの症状が現れ、尿路感染症では頻尿や排尿時痛などが現れます。

発熱は、感染が起きた場所に関わらず起こりやすい症状です。

4. 出血しやすくなることで現れる症状

出血を止める機能のある血小板が減少することで、下記のような症状が現れます。

  • 皮膚にあざ(紫斑)ができる
  • 鼻血が出やすい
  • 歯茎から出血しやすい
  • 血便や黒色便がでる
  • 血尿が出る

また、出血を止める機能と血液をサラサラにする機能のバランスが崩れて、播種性血管内凝固症候群(DIC)という状態になることがあります。実際に起こることはまれですが、難しい言葉なので説明を加えます。

播種性血管内凝固症候群(DIC)について

DICは出血を止める機能と血液をサラサラにする機能のバランスが崩れた状態をいいます。白血病の中でも急性前骨髄球性白血病で起こることが多く、進行すると出血により臓器の機能が低下(臓器不全)してしまうことがあります。DICの初期症状には上記のような出血による症状がみられることが多いです。

5. 肝臓や脾臓、リンパ節の腫れなどの症状

白血病細胞が肝臓や脾臓、リンパ節で増殖することで臓器が腫れてしまうことがあります。それぞれについて説明します。

肝臓や脾臓の腫れ(肝脾腫)について

肝臓はお腹の右上に、脾臓はお腹の左側に位置する臓器です。軽い肝脾腫では症状がないことが多いですが、病気が進行すると膨満感(お腹がはった感じ)などの症状が見られることがあります。もし、お医者さんに肝脾腫を指摘された人は衝撃による脾臓の破裂を防ぐために、身体の接触のあるスポーツは行わないようにしてください。

リンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)について

全身を巡っているリンパ管や、リンパ管が集まってできているリンパ節は、身体を外敵から守る免疫の働きに関わっています。白血病になるとリンパ節で白血病細胞が増殖して腫れることがあります。リンパ節腫脹自体は大きな症状を起こすことはほとんどありません。

頭痛、吐き気などの症状(中枢神経の症状)

非常にまれですが、白血病細胞が中枢神経(脳や脊髄を含む神経)に影響を与え、頭痛や吐き気などの症状を起こすことがあります。特に急性リンパ球性白血病では中枢神経の症状を起こすことが他の白血病よりも多いと言われています。

6. 慢性白血病の症状について

慢性白血病は急性白血病と異なり、症状がゆっくりと進行します。初期は自覚症状がないことが多く、血液検査でわかる白血球の増加をきっかけに見つかることが多いです。しかし、病気が進行するとさまざまな症状が現れることがあります。慢性白血病には骨髄性とリンパ性の2種類があって、それぞれで症状の現れ方が異なるので分けて説明します。

慢性骨髄性白血病の症状

慢性骨髄性白血病はゆっくり進行することが多く、初期は自覚症状がないことが多いです。一方、病気が進行すると「急性白血病化」することが知られており、その時は急性白血病と似た症状が現れます。

慢性リンパ性白血病の症状

慢性リンパ性白血病はゆっくりと進行することが多く、初期は自覚症状がないことが多いです。進行すると次のようなさまざまな症状が出ることがあります。

  • 倦怠感
  • 寝汗
  • 発熱
  • 体重減少
  • 食欲不振

また、全身で白血病細胞が増殖することで、「肝脾腫」、「リンパ節腫脹」、「貧血による症状」、「血小板減少による出血のしやすさ」などの症状も現れることがあります。