はっけつびょう
白血病(総論)
骨髄で異常な血液細胞が増殖する病気。「血液細胞のがん」にあたる
12人の医師がチェック 183回の改訂 最終更新: 2019.11.01

白血病の検査について

白血病が疑われた人はいろいろな検査を受けることになります。血液のがんである白血病では血液検査が重要な判断材料です。血液検査で白血病に特徴的な値が見られた人は、さらに詳しく調べるために骨髄検査を受けます。このページでは白血病に関連する診察や検査について詳しく説明していきます。

1. 問診

問診とは患者さんとお医者さんの対話による診察のことです。患者さんは困っている症状を伝えて、お医者さんからは症状などについて詳しい質問を受けます。次は問診の例です。

  • 困っている症状は何か
  • いつから症状があるか
  • 症状は一定か、良くなったり悪くなったりするか
  • 初めての症状か
  • いままでにかかったことのある病気はあるか(抗がん剤治療を受けたことがあるか)
  • 普段から飲んでいる薬はあるか

白血病のうち大多数は根本的な原因が分かっていませんが、過去の抗がん剤治療が原因で白血病になることがあります。今まで抗がん剤による治療を受けたことがある人はお医者さんに伝えてください。

2. 身体診察

身体診察とはくまなく身体を調べることをいいます。身体診察には次のような診察が含まれます。

  • バイタルサイン(脈拍数、体温、血圧など)の測定
  • 視診
  • 触診
  • 聴診

バイタルサインを確認することで身体の変化を早く見つけることができます。そのため、身体診察ではバイタルサインを最初に確認されることが多いです。

視診とは身体の様子を見た目で判断するものです。白血病の人は出血による紫斑(あざ)が見られることがあるので、紫斑がないか全身をくまなく診察します。また、まぶたの裏側(眼瞼結膜)を見ることで貧血があるかどうかを確認することができます。

触診では身体を触って異常がないかを確かめます。白血病が原因で肝臓や脾臓が腫れること(肝脾腫)があるので、お腹の触診では肝脾腫がないかを確認します。肝脾腫は特に慢性骨髄性白血病や慢性リンパ性白血病の人に多く見られる症状です。また、首(頸部)、足の付け根(鼠径部)、脇の下(腋窩)のリンパ節の腫れがないかを確認します。リンパの腫れは、特に急性リンパ性白血病や慢性リンパ性白血病によく起こります。

3. 血液検査

血液検査は白血病の診断をする場面で用いられます。具体的には以下のような項目を確認します。

  • 血算:白血球ヘモグロビンなど測定
  • 血液像:顕微鏡で血液をみる検査
  • 凝固検査:出血しやすい状態かどうかの確認

それぞれの検査項目について説明します。

血算:白血球、ヘモグロビンなど測定

白血病が疑われた人は血算という検査で白血球や血小板の数、ヘモグロビンの値を調べます。白血球の数は「白血球数」もしくは「WBC」と書かれているところに記載されていることが多いです。また、ヘモグロビンの値は「ヘモグロビン(Hb)」もしくは「血色素量」と書かれているところに記載されていることが多いです。

慢性白血病では白血球数は増加することが多いですが、急性白血病では白血球数が増加することもあれば、低下することもあります。また、貧血かどうかはヘモグロビンの値からわかります。

血液像:顕微鏡で血液をみる

血液を顕微鏡で観察する検査を血液像といいます。血液の成分である白血球、赤血球、血小板の数や形を見て、問題がないかを確認します。白血病が疑われる時は、白血球について詳しく確認します。

骨髄には「芽球」と呼ばれる未熟な細胞があり、この芽球が成熟すると白血球になります。がん化した芽球が血液中や骨髄中で増加している時は急性白血病が疑われます。芽球から白血球になる途中の成熟段階の細胞がみられ、芽球の割合が多くない時は慢性白血病が疑われます。

凝固検査:出血しやすい状態かどうかの確認

白血病が疑われる人は出血による症状が見られることがあります。血小板数の減少以外に出血しやすい原因がないかを確認するために凝固検査を行います。

具体的には次の値を測定します。

  • プロトロンビン時間や活性化部分トロンボプラスチン時間:出血を止める機能の測定
  • フィブリノーゲン:出血を止める成分の測定
  • Dダイマー、FDP:血液の塊を溶かす働きの測定

特に急性前骨髄球性白血病が疑われる人には、出血に関わる機能のバランスが崩れてDICという状態になっていないかを確認する大事な検査です。

4. 骨髄検査:骨の中の成分を取り出す検査

白血病などの病気が疑われる人が受ける検査に骨髄検査があります。骨髄検査について聞いたことのない人が多いと思うので、ここで詳しく説明します。

骨髄検査の目的

骨髄検査の目的は主に2つあります。一つは、白血球、赤血球、血小板が骨髄できちんと作られているか(正常な造血)を確認することです。もう一つは、白血病細胞がないかを確認することです。

急性白血病が疑われる人では、特に芽球(白血病細胞)が骨髄で増えていないかを確認します。また、骨髄検査では染色体に問題がないかどうかが確認できます。染色体異常の中で、15番染色体と17番染色体の転座が見られると「急性前骨髄球性白血病」と診断され、9番染色体と22番染色体の転座が見られると「慢性骨髄球性白血病」と診断されます。また、同じ種類の白血病でも、染色体の状態によって予後が良いものもあれば、悪いものもあります。予後によって治療の流れが違うこともあるので、染色体の型を確認することはとても大事です。

骨髄検査の具体的な方法

骨髄検査は造血が起きている腸骨(おしりの骨)または胸骨(胸の骨)に、専用の針を刺して行います。胸骨は薄く、心臓などの重要な臓器が近くにあることから、安全のため腸骨で行われることが多いです。検査中は局所麻酔を使うので、痛みを最小限に抑えることができます。また、針を刺すことによる出血は多少ありますが、大出血となることは非常にまれで比較的安全に行うことができます。

5. 画像検査(レントゲン検査やCT検査)

白血病細胞は骨髄で増殖しますが、肝臓や脾臓などその他の臓器に浸潤したり、リンパ節が腫れることがあります。画像検査はこのような他の臓器の状態を確認するために行われます。また、白血病の人は免疫機能が低下しているため感染症にかかりやすくなります。そこで、肺炎や尿路感染などの感染症にかかってないかを調べる目的で画像検査が行われることもあります。