月経困難症にヨガ、ウォーキング・ジョギングなどの運動は効果があるか
ひどい生理痛で生活に支障が出ている月経困難症の状態に対して、適度な運動は望ましいと考えられます。ヨガやウォーキング・ジョギングについての研究結果とあわせて解説します。
1. 月経困難症と運動の関係
生理痛(月経痛)がひどく日常生活がうまくできないほどの状態を月経困難症と言います。月経困難症の中でも、病気が原因となっている場合(
機能性月経困難症では一般的に適度な運動が望ましいと考えられます。実際に医学研究で月経困難症に対する運動の効果を示したデータがあり、また運動は全体として健康に良い点がたくさんあります。
運動の一般的な注意として、激しすぎる運動や不適切な運動でけがをするなどの危険もあります。また、持病があるなど身体の状態によっては運動を避けるべきと考えられる場合もあります。ほかの病気の治療中や治療後など、心配な点がある場合は特に主治医に相談したうえで運動を検討してください。
ここでは機能性月経困難症に対して、特定の運動について効果が試された例をいくつか紹介します。
2. 月経困難症にヨガは効果があるか
ヨガについては、機能性月経困難症で痛みを軽くする効果があったとする研究報告があります。
その研究では、18歳から22歳の女性がヨガを行ったところ、その前に比べて痛みの強さと持続期間が改善し、またヨガを行わなかった場合と比べても改善があったという結果が出ています。
この1件だけでは確かとは言えませんが、ヨガに何らかの効果がある可能性があります。
【参考】
Some physiotherapy treatments may relieve menstrual pain in women with primary dysmenorrhea: a systematic review.
J Physiother. 2014 Mar;60(1):13-21.
3. 月経困難症にウォーキング・ジョギングは効果があるか
ヨガ以外の運動では、月経困難症に対してウォーキングとジョギングの効果を試した研究もあります。
ウォーキングとジョギングによる運動療法を週に3回、1回30分行ったところ、月経に関する症状のスコアが軽くなったという結果が出ています。
この1件だけでは確かとは言えませんが、ウォーキング・ジョギングに何らかの効果がある可能性があります。
【参考】
Exercise for dysmenorrhoea.