[医師監修・作成]多発性硬化症の疑問や悩み | MEDLEY(メドレー)
たはつせいこうかしょう
多発性硬化症
免疫の異常が原因で、中枢神経(脳や脊髄)が障害を受ける病気。障害を受けても回復することがあり、症状が出たり消えたりする。
13人の医師がチェック 227回の改訂 最終更新: 2021.11.26

多発性硬化症の疑問や悩み

多発性硬化症は再発する病気なので、その分付き合いも長くなります。治療が長引くとどうしても、さまざまな疑問や悩みが生じやすいものです。ここでは多発性硬化症の人が抱きやすい疑問や悩みについて説明します。

1. 多発性硬化症の経過に関する疑問について

多発性硬化症は再発する病気なので、経過については気になることが多いと思います。ここでは、多発性硬化症が完治するかどうかと、余命について説明します。

多発性硬化症は完治する病気なのか

多発性硬化症は治療によって症状がよくなっても再発する病気です。再発までの期間は人それぞれです。結果的に生涯に渡って再発しなければ完治と言えるかもしれません。しかし、実際にはいつ再発するかの予想が難しいので、再発しない期間が長く続いたとしても完治と言えるかどうかは判断し難い側面があります。

現在は再発を抑える薬の進歩がみられ、以前より選択肢が多くなっています。再発予防薬を上手に使うことで、より完治に近い状態が得られることが期待できます。完治するかどうかわからない、と言われると気持ちは重くなりがちですが、今できる治療が完治への道を切り開くと考えて取り組んでください。

多発性硬化症の人の余命はどれくらいなのか

多発性硬化症の人の寿命は多発性硬化症ではない人に比べて10年ほど短いという報告があります。多発性硬化症にはいくつかタイプがあり、比較的軽症の人から進行が早い人までさまざまです。ですので、多発性硬化症の持病があるからといって自分の寿命が10年短くなると考えるのは早計です。つまり、一般的な平均寿命より短くなる人もいれば、長く生きる人がいることも十分考えられます。

2. 多発性硬化症の人の悩みについて

再発を繰り返すこともある多発性硬化症は病気と長く付き合わなければならないので、その分さまざまな悩みにぶつかります。ここでは多発性硬化症の人からよく聞く悩みを取り上げて、説明していきます。

多発性硬化症の原因はストレスなのか

ストレスやそれに伴う疲労は多発性硬化症の再発や症状悪化と関係していると考えられています。しかし、ストレスが直接的に多発性硬化症を発症させるかについては詳しいことは分かってはいません。多発性硬化症の原因かどうかを抜きにしても、ストレスが重なると、日常生活に支障をきたしてしまいます。ストレスの解消法を持つことは良いことなので、休息や運動、音楽鑑賞など自分に合った方法を模索してみてください。

多発性硬化症になると仕事はできるのか

多発性硬化症になっても仕事をすることは可能ですが、発症前と同じように働くことは難しい場合があります。特に、後遺症が重い場合には、より難しくなります。例えば、立って仕事をしていた人に足の麻痺が残ると、発症前のように立ち仕事をするのが難しくなります。

多発性硬化症の人が仕事を続けるためには、仕事の内容ややり方を変えてもらうなど、職場の人からのサポートが必要であることが多いです。しかしながら、多発性硬化症はまれな病気のため、周知はされていません。仕事を続けるにあたっては、周囲の人に「多発性硬化症」を理解してもらい、サポートを受けやすい体制を整えることも大切です。

多発性硬化症は難病なのか

多発性硬化症は厚生労働省の定める指定難病の1つです。難病と告げられると、どうしても「治らない」という考えが頭をよぎるものですが、実際はそうではないこともあります。多発性硬化症は再発を繰り返す病気ではありますが、なかにはほとんど再発しない人もいます。病気の経過は人それぞれであることを踏まえて前向きに治療に臨んでみてください。

多発性硬化症は遺伝するのか

多発性硬化症が子どもに遺伝することはないと考えられています。ですので、妊娠や出産を考えた時、子どもへの遺伝について心配することはありません。

多発性硬化症の名医はいるのか

多発性硬化症に限らず、どんな病気でも「名医」の絶対的な定義はありません。例えば、医学的な知識が豊富な医師を名医だととらえる人もいれば、患者さんの気持ちの把握が上手な医師を名医だととらえる人もいます。つまり、名医ととらえる基準は一人ひとりの患者さんにあると考えられるので、全ての人に名医だと基準を定義づけするのは難しいです。このため、評判や他の人の話で名医と言われている医師の診療を受けても期待とは違ったという話は珍しいことではありません。その一方で、名医との評判はあまり聞かないものの、診療を受けてみると、自分にとっては名医だと感じることもまたよく耳にする話です。もし、多発性硬化症の名医を探しているのであれば、自分がどんな医師を名医だと考えるかの基準を整理してみてください。例えば、「話がわかりやすい」、「受診すると前向きになれる」などです。他にも多くの基準が考えられます。自分が医師に何を求めるかをはっきりさせていくと、あなただけの名医に出会いやすくなるでしょう。

参考文献
・「神経内科ハンドブック」(水野美邦/編集)、医学書院、2016
・難病情報センターホームページ「多発性硬化症/視神経脊髄炎」(2019.3.20閲覧)