2019.10.30 | コラム

寒くなると指が真っ白になる?レイノー現象の注意点や対応とは

強皮症や全身性エリテマトーデスなどの病気のサインかもしれません

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だんだんと肌寒くなってきました。これからの季節、手足の冷えも気になります。なかには手足が冷たくなるだけでなく、指が白くなったり青っぽくなったりと色の変化を自覚している人がいるかもしれません。このような場合には単なる冷えではなく、「レイノー現象」が起きている可能性があります。レイノー現象は強皮症や全身性エリテマトーデスなどの病気のサインでもあり注意が必要です。
本コラムではレイノー現象がどのようなものであるかや、対応について紹介します。

1. レイノー現象とは何か?

手や足の指の血流が悪くなることで真っ白や青紫に変色することをレイノー現象といいます。レイノー現象では、変色した指はその後20-30分程度かけて血流が回復して元の色に戻ります。寒さやストレス刺激により指の血管が一時的に縮むことが原因であると考えられています。

レイノー現象の大半は心配のいらないものですが、ときに強皮症や全身性エリテマトーデスなどの病気が隠れていることがあるので注意が必要です。レイノー現象がきっかけでこれらの病気が見つかることは珍しくありません。そのため、レイノー現象を自覚する人は、医療機関で一度相談することをお勧めします。また、数十分すると症状が良くなってしまうことが多いので、レイノー現象が起こったときに指の写真を撮っておいて、診察のときに医師に見せると説明がしやすいです。

 

2. レイノー現象を起こす病気にはどんなものがある?

レイノー現象があって受診したことを医師に伝えると、以下の病気が隠れていないか(原因となっていないか)を調べるため、問診や診察、検査が行われます。

 

【レイノー現象を起こすことがある病気・原因】

  • 膠原病
    • 強皮症
    • 全身性エリテマトーデス
    • 混合性結合組織病
    • 多発性筋炎・皮膚筋炎
  • 閉塞性動脈疾患
    • バージャー病、閉塞性動脈硬化症
  • 血液疾患
    • クリオグロブリン血症
  • 薬の副作用
  • 振動工具の使用

 

レイノー現象の原因にはさまざまなものがあります。なかには薬や振動工具のように、使用をやめれば症状を改善できる原因もあります。

残念ながら、レイノー現象はすべての人で原因がわかるわけではなく、大多数(約80%)は原因が特定できないと言われています。ただし、原因が分からないレイノー現象はその後の見通しが良いことが多く、過剰に心配する必要はありません。そのため、病気の経過を予測するうえでも原因があるかどうか調べておくことは大切です。

 

3. レイノー現象が起こらないようにするには?

レイノー現象は寒さやストレスがきっかけになって見られることがあります。そのため、日常生活では以下のような点に注意することが望ましいです。

 

  • 手指を冷やさないよう寒い日に外出する時には手袋をする
  • 洗い物や手洗いをする時には冷たい水を使わないようにする
  • ストレスや過労を可能な範囲で避ける
  • 自分のお気に入りのリラックス方法を大事にする

 

また、レイノー現象の症状改善として血管を広げる薬の有効性も確認されています(関連ページ:寒い日、指が真っ白になる「レイノー現象」に高血圧の薬が効く?)。もし、上記の対応でもなかなか良くならない場合には、薬物治療についてお医者さんと相談してみてください。

 

これからさらに寒い日々がやってきますが、ここで紹介したような指の変色に気が付いた人は、一度医療機関で相談してみることをお勧めします。

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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