過眠症状を伴うナルコレプシーとその他の病気の違いについて解説
この記事のポイント
2. ナルコレプシー以外に眠気を症状とする病気はあるか
ナルコレプシーは、過眠症状、日中の異様な眠気、場合によっては脱力発作(急に体がダランとなる発作)などが見られる病気です。過眠症状はその他の病気にも見られるものですが、どのような違いがあるのでしょうか?解説します。
◆ナルコレプシーとは
ナルコレプシーの症状のひとつに、過眠症状があります。ナルコレプシーの場合は、朝寝すぎるというよりも、日中に眠気が強まり、特に昼間から夕方のちょうど昼寝をする時間帯で異様な眠気に襲われるという特徴があります。眠気に襲われ、5分から15分くらい居眠りをし、起きると眠気が改善しますが、その1時間から数時間後にまた同様の眠気に襲われ、居眠りを繰り返すという症状が見られます。
ナルコレプシーによる眠気(過眠症状)は、脳の
しかし、眠気を症状に持つ病気はその他にも多くありますので、眠気だけで本当にナルコレプシーかはわかりません。次に症状として眠気が現れる病気について説明していきます。
◆ナルコレプシー以外に眠気を症状とする病気はあるか
ナルコレプシーの他に眠気が見られる病気の例として以下が考えられます。
特発性 過眠症- 甲状腺機能低下症
- パーキンソン病
- 季節性うつ病
- 睡眠時無呼吸症候群
薬剤性 過眠症- 薬の副作用として眠気が見られることがあります。
- 行動誘発性睡眠不足症候群
- 慢性の睡眠不足により、休日の睡眠時間が長くなっていることがあります。
- 睡眠の時間帯などの睡眠習慣によって、ナルコレプシーと区別することができます。
- 概日リズム睡眠障害
- 睡眠相がかなり後退して、睡眠している時間帯が遅くなっている一方で、社会リズムとして朝起きなければいけないと、日中に過度な眠気に襲われることがあります。
- 睡眠の時間帯などの睡眠習慣によって、ナルコレプシーと区別することができます。
これらの病気では、過度な眠気(過眠症状)が現れることがありますので、ナルコレプシーと区別するために、
以上、ナルコレプシーの症状のひとつである過眠症状と、その過眠症状が見られる病気との違いについて説明してきました。「眠気が強いからナルコレプシー」というわけではなく、様々な症状と整合して、診断がつきます。
注:この記事は2016年3月8日に公開されましたが、2018年2月9日に編集部(大脇)が更新しました。
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※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。