2016.03.20 | コラム

薬物乱用における大麻(マリファナ、ハシシ など)とその危険性

大麻の成分、作用などをもとに
薬物乱用における大麻(マリファナ、ハシシ など)とその危険性の写真
(C) Angelaravaioli - Fotolia.com

この記事のポイント

1.大麻とは?
2.薬物乱用において問題となる大麻の成分とは?
3.大麻の薬物乱用で引き起こされる症状とその極めて高い危険性について

近年、薬物乱用の問題は日本においても他人事とは言えず、乱用薬物に関する事件が後を絶ちません。その中でも大麻は世界中で問題となっている薬物の一つです。ここでは乱用薬物における大麻とその危険性について解説します。

◆ 大麻とは?

日本における大麻とは「麻」として知られるクワ科の一年生草本で「大麻取締法」において定めてあるものになり、「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品」のことを指します。但し、これには大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)並びに大麻草の種子及びその製品は含まれません。

大麻草の繊維を使った衣服などは、日本においても古来より使用されてきましたし、なにより種子は麻の実として七味唐辛子の構成薬味などとしても使用されています。また成熟した実を乾燥させたものは麻子仁(マシニン)として生薬となり、麻子仁丸(マシニンガン)などの漢方薬の構成生薬として使われています。ちなみに食品で使用される麻の実は発芽防止の処置が施されていますし、産業用として大麻を栽培するには大麻取扱者免許が必要です。

大麻はこれらの産業や医療などにおける有益性を持つ一面がある一方で、薬物乱用の原因や犯罪などの温床になる負の一面も持っています。[ 薬物乱用:医薬品を本来の治療目的から逸脱した用法や用量あるいは目的のもとに使用すること、治療目的にない薬物を不正に使用すること

 

◆ 薬物乱用において問題となる大麻の成分とは?

大麻草で特に問題となるのは、樹脂に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分でこれが酩酊感や幻覚作用などをあらわします。日本で産業用に許可を受けて栽培されている種類の大麻草に含まれるTHC量は比較的少ないとされていますが、乱用薬物としての特に問題になる大麻の多くは赤道付近をはじめ海外で栽培される種類の大麻草であり、これらの大麻草はTHCを多く含有するように品種改良などが施されてきていると言われています。葉や花穂を乾燥したものがマリファナ、樹脂として抽出したものがハシッシュ(ハシシ)などと呼ばれ世界中で不正取引・消費されている薬物となっています。

 

◆ 大麻の薬物乱用によって引き起こされる症状とその極めて高い危険性について

大麻を乱用すると麻薬や覚せい剤などと同様に身体的障害や精神的障害があらわれます。

身体的障害は急性のものとして、心拍数増加、眼の充血、平衡感覚障害、吐き気などがあり、慢性のものとしては咽頭炎慢性気管支炎心不全狭心症免疫力低下、ホルモンバランスの失調などです。特に大麻は葉などを炙って使用する場合が多く、乱用者は繰り返し濾過していない大麻の煙を吸い込み、しかも紙巻タバコ(通称:ジョイント)としての大麻は普通のタバコの数倍もの発がん性物質などを含むため肺などへの呼吸器障害は深刻なものになりやすいのです。また大麻に含まれるTHCは脳細胞や脂肪組織などに1ヶ月もの長い期間止まることもあるとされ、これにより脳障害などを引き起こす場合もあります。

精神的障害は最初は集中力や忍耐力の低下などがおこり、抑うつ状態、気分などの異常、幻覚妄想、錯乱やせん妄などの意識の変容があらわれます。大麻摂取によりおこる精神障害の総称として大麻精神病という言葉を用いることもあり、長期乱用者には知的障害があらわれる場合もあります。

これらの症状によって、日常生活に支障をきたすだけでなく犯罪の原因となることもあります。マリファナ乱用者の一部には依存性などを否定する声もありますが、研究において精神的依存性などが解明されてきています。例え乱用を止めたとしてもフラッシュバックという、以前大麻を使用していた時の感覚が突然蘇ってくる(しかも極めて不快な感覚とされる)後遺症が長い期間に渡り残るため、一部で誤解されているような嗜好品などと呼べるものでは決してないのです。

 

アメリカのある州では、マリファナを配合したコーヒーが合法的に発売され大きな物議を醸しました。医療大麻に関する論議はともかく、薬物乱用の面から考えた場合、大麻は人生を壊す狂気を十分過ぎるほど持った薬物です。それにも関わらず大麻は乱用薬物の中でも世界中で広く生産され不正に取引されている薬物の一つとなり若年齢層の乱用も拡大してきています。先ほども少し触れましたが、大麻を乱用すると性ホルモンへ影響を与える場合があります。また大麻の有害成分は胎盤関門を通過し胎児へ影響を与える場合もあり、将来を担う世代の未来を壊してしまう可能性もあります。

薬物乱用に対して断固として『絶対に、絶対に、ダメだ!!』を貫くだけではなく、次世代へ警報を鳴らしていく必要があるのです。

執筆者

中澤 巧

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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