妊娠したら最初にすることは?妊娠届・病院選び・出産施設について
妊娠した後に必要な届け出や妊娠した後に通院する病院の選び方について解説します。
1. 妊娠の届け出とは?出し方は?

妊娠すると必要な届け出が妊娠届です。
妊娠届の提出は母子保健法で定められている義務です。いつまでに出さなければいけないという制限はありませんが、必ず提出をしましょう。妊娠が発覚し医療施設を受診して胎児の心拍が確認できたら、大体妊娠8週程度を目安に自分の住民票のある市区町村の役所で妊娠届の提出をしてください。
妊娠届を出すといいことがある?
妊娠の届け出を行うことで母子健康手帳や妊婦健康診査受診票、その他地方自治体によって行われるサービスの案内などをもらうことができます。里帰りを希望している場合も、最初の妊娠の届け出は住民票のある市区町村で行う必要があります。
妊娠届は本人でないとできない?
何らかの理由で本人が妊娠届を提出することが困難な場合には、代理人による提出も行うことができます。代理人提出の方法については住民票のある市区町村の窓口で確認してください。
妊娠届には何を書く?
妊娠届に記載が必要な事項は市区町村によって異なります。そのため、詳細は住民票のある市区町村のウェブサイトなどを確認し、必要なら問い合わせてください。以下に一般的に必要となる可能性の高い情報を記載します。
- 住所
- 妊娠している子どもの母親と父親の名前、年齢
- 妊娠週数
- 分娩予定日
- 今までの妊娠や出産の回数
- 妊娠の診断を受けた医療機関名、医師名
また、本人確認などのために書類の提出を求められることがあります。
- 個人番号(マイナンバー)カードもしくは通知カード
- 運転免許証や健康保険被保険者証などの本人確認書類
母子健康手帳はどうつかう?
妊娠届を提出すると、赤ちゃん1人に対して1冊(双子の赤ちゃんの場合は2冊)の母子健康手帳をもらうことができます。母子健康手帳は全国で統一されている内容と市区町村によって任されている内容の2種類が記載されています。市区町村に任されている項目では、妊娠中の注意事項や栄養の摂り方、赤ちゃんの育児のポイントや注意事項、育児に役立つ制度やサービスなどの情報について書かれていることが多いです。
母子手帳は妊娠中に転居した場合や里帰りした場合でも再交付などは必要ありません。最初にもらった母子手帳をずっと利用します。母子手帳には妊娠中の経過から子どもが6歳になるまでの健康状態などを記載していきます。病院で記載してもらう箇所だけではなく、お母さん自身が自分の気持ちなどを書き込める箇所もあります。妊娠中から育児中に活用することで妊婦さん自身や子どもの経過を把握するために活用でき、また子どもの学校などに予防接種の状況を報告する際にも必要になります。
さらに、子どもが将来病気にかかった時、海外に旅行や仕事で出ようとする時、また妊娠を計画する時などに、予防接種の情報が役に立つ場合があります。母子健康手帳は大切に扱いましょう。
以下の内容は全国で統一されています。
- 保護者の情報、出生届の提出証明書
- 妊婦の健康状態や職業などの情報
- 妊娠中の経過と出産の状態、出産後のお母さんの経過
- 妊娠中と産後の体重変化の記録
- 妊娠中と産後の歯の状態の記録
- 母親学級の受講記録
- 0歳から6歳までの健康診査の記録
- 子どもの身体発育、体重の曲線
- 予防接種やかかった病気の記録
妊婦健康診査受診票ってなに?
妊婦健康診査受診票は母子手帳の交付と一緒に住民票のある市区町村で受け取ることができます。妊娠は病気ではありませんので、公的医療保険が妊婦健診のたびに適用されることはありません。基本的に全額自己負担での受診となります。
ただし、妊婦健康診査受診票(補助券)を妊婦健診の際に医療機関に提出することで、妊婦健診、
妊婦健康診査受診票を持っていれば妊婦健診の際に必ず持参し、医療機関に提出を行いましょう。妊娠中に転居をすると、転居先で妊婦健康診査受診票の再交付をしてもらう必要がある場合があります。そのため、転居先の市区町村に問い合わせを行い確認をしましょう。
地方自治体のサービスはなにがある?
妊娠届を提出すると、保健師等による相談、市区町村で行われる母親学級・両親学級の紹介、妊娠中や出産後に利用できる育児支援サービスの情報提供など地方自治体特有の取り組みを知ることができます。初めての妊娠で不安がある、元々疾患があり身体の調子と子育てが両立できるか心配など悩みがあれば相談をすると、自宅で活用できる産前産後のサービスなどを紹介してもらうことが出来ます。
出産育児一時金ってなに?
出産に関わる家族の経済的な負担を軽減するために、加入している公的医療保険から出産育児一時金が支払われます。
出産育児一時金の支給には2つの条件があります。
- 国民健康保険などに加入していること
- 妊娠4ヶ月以上(妊娠12週0日以上)での出産であること
帝王切開や経膣分娩などの分娩の方法は関係なく支払われます。また、双胎(ふたご)の場合には、2倍の金額が支払われます。
出産育児一時金の支給には、2種類があります。
- 病院での出産費用の支払いの際に、出産育児一時金が差し引かれる方法(直接支払い制度)
- 病院で出産費用を全額支払った後に、自身で加入している医療保険に申請をして出産育児一時金を受け取る方法
直接支払い制度を利用するためには、出産施設が制度に加入していることが必要になります。そのためご自身の出産施設に制度を導入しているかの確認を妊娠中に行い、必要書類を提出しましょう。
出産育児一時金を退院後に受け取る場合には、医療保険への申請書の提出が必要になります。申請書には出産後に出産施設に記入をしてもらう必要のある事項がありますので、妊娠中から確認をしておきましょう。
2. 妊娠で通う病院はどうやって選ぶ?いつ選ぶ?
出産する施設や里帰り前の妊娠中に通う施設は自分で選ぶ必要があります。出産は人生の中で何度も経験するわけではありませんので、どのような施設で出産するべきか迷われる人も多いと思います。最初に通院を始めた施設で出産しなければいけないというわけではありませんが、出産を受け入れている施設によっては、施設の大きさや安全性を考慮して1ヶ月に取り扱う分娩数を制限している所もあるため、分娩を希望する施設には妊娠初期の段階で直接問い合わせをすることをお勧めします。出産施設の選び方は自由ですが、以下にポイントとなる点を解説します。
出産する施設を選ぶ時に重要となるのは、大きく分けて3つの視点があると思います。
- 出産の安全性
- 自分の希望に近い出産や育児が行えるか
- 経済性
出産施設の選択の際に参考にされて下さい。
出産の安全性
出産の安全性にはいくつかの意味合いがあります。
- 自分の出産のリスクに見合った病院か
- 万が一の時の対応は万全か
- 自宅または実家との距離は近いか
出産は病気ではありませんが、妊婦さんによっては出産にリスクを伴う場合があります。出産の異常事態にどこまで対応できるかは、施設の規模や機能によって異なるため、自分のリスクに合った出産施設を選ぶということは安全に出産を行う上でとても大切です。
例えば、元々病気があり治療を継続して行っている方などは、病気と妊娠の経過の両方を診察することができる
一方、出産に対するリスクが低い方の場合でも、出産の時に出血が多くなってしまった、生まれてきた赤ちゃんの具合が悪い、など思わぬ異常事態に遭遇することがあります。そのような時には、連携している病院や救急車での他病院への搬送が行われることがあります。万が一に備えて、出産を希望する施設がどのような連携施設をもっているのかを把握しておくことも重要です。
また、自宅や実家からの距離もとても大切です。陣痛などの出産の兆候が見られてから出産施設に向かう場合、電車などの公共交通機関を利用してしまうと移動途中で破水をしたり、陣痛が急激に強くなった際に対応が困難になってしまう可能性があるため、利用することはできません。そこで、出産施設は近いほうが望ましいと言えます。必ずしも同じ区や市でなくてもいいですが、自家用車かタクシーを利用して1時間以内に到着できることが一般的には望ましいでしょう。また妊婦健診に通うために必要な時間も短い方が、お腹が大きくなってからも通いやすく、急に受診が必要になった際にも安心できます。
自分の希望に近い出産や育児が行える施設か
出産は人生の中で何回もチャンスがあるものではありません。そのため、自分の出産やその後の育児の希望が叶えられる施設であることは重要だと思います。出産施設によって特徴や設備は異なるため、自分の希望とすりあわせることで施設を決めることを勧めます。施設によって異なる特徴は次のようなものがあると考えられます。以下に記載したことはあくまで一例ですので、自分の出産や育児の希望を考える参考にされてください。
〈出産の特徴〉
出産の特徴は以下のようなものが挙げられますが、1番大切なのはお母さんと赤ちゃんの安全です。分娩の方法に関しては最終的に出産施設との話し合いが必要になります。
- 無痛分娩や和痛分娩ができるか、そのために十分安全な体制をとっているか
- 出産の際は医師の立ち会いがあるかどうか
- フリースタイル出産(自由な姿勢で出産すること)を行っているか
- 出産の時に夫や家族、子どもの立ち会いは可能かどうか
- 早期母子接触(カンガルーケア)を行えるかどうか
- 出産方法の希望が実現可能な施設か(自宅、水中分娩、帝王切開後の経膣分娩など)
〈産後の特徴〉
産後の特徴としては以下のようなものが挙げられます。基本的にお母さんと赤ちゃんにリスクがない場合を想定して記載しています。
- 赤ちゃんと同室かどうか
- 母乳での育児を推進している施設かどうか
- 家族と赤ちゃんの面会に制限はあるかどうか
- 個室での入院が可能かどうか
- 小児科の医師の診察があるかどうか
- 退院後のフォロー(母乳外来など)はあるかどうか
- 出産後の入院期間は何日間か
- 入院施設のアメニティー
経済性
出産は病気とは異なるため、妊娠期の異常や帝王切開で入院する場合を除き自費での診療となります。そのため、出産施設によって健診や分娩にかかる費用は大きく異なります。また、差額ベッド代といって個室や大部屋など部屋の種類を選択する場合にかかる料金も施設によって異なります。あらかじめ出産費用を施設に確認することをお勧めします。
3. 出産施設にはどんな種類がある?
出産施設の特徴は、その病院や助産施設の機能によっても異なります。出産施設の主な特徴を以下に記載しますので、出産施設選びの参考にされてください。
総合周産期母子医療センター、地域周産期母子医療センター
都道府県からの指定もしくは認定を受けて、妊娠だけではなく、何らかの
産科と小児科の設置が必ずあり、病院によっては母体と胎児のための集中管理室(MF
総合病院、大学病院
以前の医療法の定義では、「総合病院」とは内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の5科があり、かつ100床以上の入院病床をもつ病院とされていました。しかし医療法の改定に伴ってその定義は廃止されました。そのため、総合病院には正しい定義はありませんが、一般的には最新に近い設備を持ち、24時間体制で入院している患者さんの診療や検査が可能な病院を指します。
総合病院は産科以外の診療科ともやり取りが可能であるため、妊娠前から治療しているような合併症のある方や、妊娠中や出産で急に検査や治療が必要になった場合にも、対応することができます。医師の数も多いため複雑な病状の場合には複数の医師で話し合いや治療方針のすり合わせを行って妊婦さんに一番良い治療法を提案していくことができます。
総合病院の不利な点としては、受診する患者さんの数が多いため健診の待ち時間が長い、妊婦や赤ちゃんにリスクがある場合が多いので面会や出産時の立会いなどに制限が出るなどの可能性があります。
また総合病院のなかでも大学病院は、医療スタッフの教育や研究にも力を入れています。最先端の医療を受けることができますが、妊婦健診や出産に関わる医療者の数が多かったり学生の立会いがあったりするため、ストレスに感じてしまう方もいます。
総合病院や大学病院を受診するためには、患者さんからの申し出での初診を受け付けている場合もありますが、他の病院から紹介が必要としている施設もあります。総合病院にかかる必要があるかは、妊娠を判定した病院で相談すると良いでしょう。
産科専門病院、診療所(クリニック)
産科専門病院と産科の診療所は、どちらも妊娠、出産、産後、新生児の管理を主に行う施設です。しかし産科専門の病院と診療所は、各施設によって規模や機能が大きく異なりますので注意が必要です。また、産科以外の診療科が設置されていない施設では、妊娠中や出産時に産科領域以外の専門的な検査や治療が必要になった場合には、他の病院を紹介されることがあります。
産科専門病院は、産科に特化し20床以上の病床を持つ病院です。産科専門病院の中には周産期母子医療センターに指定されていて妊婦や新生児の集中治療を行える施設もありますが、そうでない場合もあります。そのため、切迫早産や妊娠高血圧症候群などの合併症をもつハイリスク妊婦を受け入れている施設もありますが、必ずしもそうではありません。妊娠中のリスクになる病気などを診断されている方は、病院にどのような機能があるかにも気を付けて選ぶといいでしょう。
産科専門の診療所(クリニック)は病床数が19床以下の施設です。診療所(クリニック)の場合は、周産期母子医療センターに指定されているところはありません。そのため基本的に妊娠や出産のリスクのない妊婦を受け入れています。総合病院に比べると産科に特化しているため、総合病院に比べると妊婦さんが選ぶことのできるサービスや病院のアメニティは充実しているところが多いです。
産科専門病院や診療所(クリニック)は、施設によってそのサービスや設備は大きく異なりますので、ご自身の希望がある場合には気になる施設に問い合わせしてみることをお勧めします。
助産院
正常な経過をたどるお母さんや新生児に対して妊娠中、出産中、出産後のケアを行う施設を助産院といいます。傾向としては助産院は病床数や助産師の数も多くないので、アットホームな環境で出産をすることができます。小さなお子さんなどの出産時の立会いや自宅分娩なども取り扱っているところもあります。
しかし、助産師は医師ではありませんので、助産院の中で医療行為(薬の処方や治療など)は行うことができません。そのため、妊娠中に正常な経過をたどっているかを判断するために行われる採血や超音波検査などの医療行為は、助産院での妊婦健診とは別に提携している病院で行われます。
それ以外にも助産師によるケアの中で妊娠経過や出産時に異常が発見され、医療行為が必要と判断された場合には提携病院で医師による診察を行う必要があります。
助産院は医療行為ができない分、食生活や運動などの妊娠中の指導や産後の乳房の管理などが手厚いことが多いです。
4. 里帰り分娩とは?
一般的に実家と現住所の距離が離れている妊婦さんが、出産に合わせて実家に帰り実家近くの出産施設で出産することを里帰り分娩といいます。
赤ちゃんは生まれてから少なくとも1ヶ月は
里帰り分娩の予約は?いつから通うの?
里帰り分娩の場合は、一般的な出産施設の予約と同様で妊娠初期の段階で里帰りを希望する施設に予約が必要です。その際には必ず「里帰り分娩を希望する」ということを伝えましょう。出産施設によっては分娩を1ヶ月に取り扱う数を制限している施設もありますので、問い合わせは早めに行うことをおすすめします。
里帰り先の妊婦健診にいつから通う必要があるのかは施設によって異なりますので、詳しくは里帰り先の出産施設に問い合わせが必要です。しかし、通常は妊娠20週前後に1回里帰り施設で健診を受け、妊娠34週ごろまでには里帰りをし、少なくとも妊娠後期で2回以上は妊婦健診を受けて里帰り先にも慣れた状態で出産するということが多いです。また、妊婦健診に通っていた施設では、