きくちびょう(あきゅうせいえしせいりんぱせつえん)
菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)
原因不明に首のリンパ節が腫れる良性の病気。若い女性に多く、基本的には自然治癒する
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最終更新: 2022.01.15
菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)の基礎知識
POINT 菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)とは
原因不明に首のリンパ節が腫れる病気です。20代から30代の女性に多い病気ですが、幅広い年齢の男女で発症することがあります。腫れたリンパ節はかなり痛むことが多いです。他の症状としては、発熱することが多いです。関節の痛みや皮疹が出ることもあります。腫れているリンパ節を採取(生検)することで確定診断されますが、基本的に自然に治る病気のため、癌や悪性リンパ腫など他の病気の可能性も疑われる人でなければ必ずしも生検されません。治療としては解熱鎮痛薬を飲んで様子をみることになります。ステロイド薬が使われることもあります。菊池病が心配な人や治療したい人は、総合内科や感染症内科、血液内科、小児科などを受診してください。
菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)について
菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)の症状
- 首の
リンパ節 が腫れることが最大の特徴- リンパ節には強い痛みを伴う
- 1〜3cmくらいの大きさに腫れることが典型的
- 首の前ではなく、横〜後ろが腫れやすい
- 首以外のリンパ節が腫れることは珍しい
- よく出る他の症状としては以下のものがある
- 発熱
- 喉の痛み
皮疹 - 関節の痛み など
- まれに出る他の症状としては以下のものがある
- 強い悪寒
- 体重が減る
- 肝臓や
脾臓 が腫れる など
菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)の検査・診断
- 診断を確定するためには
リンパ節 の採取(生検 )が必要- 身体に負担のある検査であり、必ずしも行われない
- 血液検査
白血球 や赤血球 が軽度減少するLDH ,CRP , AST, ALTなどが上昇する- これらは直接診断には結びつかない
- 主に他の病気と区別するために行われる
CT 検査- リンパ節の腫れ具合や、首以外のリンパ節の様子を観察するために行われることがある
菊池病(亜急性壊死性リンパ節炎)の治療法
- 根本的な治療法は乏しい
- 特に治療しなくても、1-2ヶ月以内に自然に治ることが多い
- 症状に応じて解熱鎮痛薬の内服を行う
- 他の病気でなさそうであれば、
ステロイド薬 が使われることもある - 自然
治癒 しても、約5-15%の人は数ヶ月〜数年以内に再発する
- 再発を繰り返す人や、治りが悪い人では他の病気の可能性がある
- 菊池病と区別が難しい病気の中には、診断に苦労する病気が多い
- そのような人では、
リンパ節 の生検 が必要
- まれではあるが0.5-2%ほどの致死率が報告されている
- 原因としては血球貪食症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)の
合併 など
- 原因としては血球貪食症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)の