でんせんせいたんかくきゅうしょう
伝染性単核球症
EBウイルスなどのウイルスに感染することが原因で起こる病気。小さいころには感染せずに思春期以降になって初めて感染した場合に多い
21人の医師がチェック 278回の改訂 最終更新: 2022.02.05

伝染性単核球症の基礎知識

POINT 伝染性単核球症とは

EBウイルスなどのウイルス感染が原因でおき、幼少時に感染せずに、思春期以降ではじめて感染した場合に伝染性単核球症を起こすことがあります。唾液内にいるウイルスが感染の原因となり、症状は高熱、のどの痛みや腫れ、全身のリンパ節の腫れ、皮膚の発疹などです。診断はのどの診察やくびの触診と問診からこの疾患を疑い、血液検査で炎症や肝臓の障害の確認、ウィルスの抗体価の測定を行います。治療に特効薬はなく、安静や水分栄養補給で経過をみます。症状はいずれも一般的なかぜと区別がつきにくいため、症状が続く場合は一般内科や感染症内科を一度受診しましょう。

伝染性単核球症について

  • EBウイルスなどのウイルスに感染することが原因で起こる病気
    • 小さい頃には感染せずに、思春期以降になって初めて感染した場合に多い
    • サイトメガロウイルスなど、EBウイルス以外でも伝染性単核球症になることがある
  • EBウイルスは唾液に潜んでいて、唾液経由で感染することが多い
    • 回し飲みやキスが原因で移ることが多い(別名キス病と呼ばれる)
  • 子どもの頃に感染しても症状はほとんど出ないが、思春期以降になってから感染すると高熱などの症状が出やすい
    • 多くの人は思春期になるまでに親やまわりの人から感染していて、ウイルスに対する免疫力(抗体)を持っている
  • まれに肝臓の機能が著しく低下してしまい、入院治療が必要となることがある
    • 劇症肝炎と呼ばれる状態に至ると集中治療を受けることもある

伝染性単核球症の症状

  • 感染してから6-8週間ほどの潜伏期間を経てから症状が現れる
  • 思春期以降の年齢で感染すると症状が出る
  • 主な症状
    • 高熱
    • だるさ
    • のどの腫れ、痛み
    • 全身のリンパ節が腫れて大きくなる
    • 発疹(ほっしん)
    • 肝臓と脾臓が腫れて大きくなることがある

伝染性単核球症の検査・診断

  • 血液検査
    • 炎症の程度や肝臓の障害などを調べる
    • ウイルス抗体を調べることで診断が確定できることがあるが、検査結果が出るまでに数日から10日程度を要する
  • 腹部超音波エコー)検査
    • 肝臓や脾臓などが腫れや炎症所見の有無を調べる

伝染性単核球症の治療法

  • 主な治療
    • 特効薬はなく、抗菌薬は効果が無い
    • 特に、抗菌薬の中には伝染性単核球症の症状を悪化させるものがあるので、自己判断で飲まないように注意する
    • 安静にしながら回復を待つ
  • 使われることがある薬剤
    • アセトアミノフェン(解熱鎮痛薬)
    • イブプロフェン(解熱鎮痛薬) など
  • 大体の場合4-6週間で回復する
    • 内臓が腫れている場合は腫れが引くまで安静にする
      • 脾臓が破裂するおそれがあるので、完全に治るまで力仕事やコンタクトスポーツは禁止

伝染性単核球症の経過と病院探しのポイント

伝染性単核球症が心配な方

伝染性単核球症では、発熱、全身のだるさ、のどの痛みといった症状が出現します。通常のかぜと区別がつきにくいのですが、それよりも長引いているものがあれば伝染性単核球症の可能性を考えます。この感染症はEBウイルスが唾液を介して感染します。一度感染するとそのヒトの体内でウイルスが潜伏しますが、そのような方でも大半の場合ウイルスは悪さをしないまま潜伏し続けることになります。一方で、ウイルスに感染したタイミングで一部の人はこの伝染性単核球症を発症します。

のどの痛み、発熱といった症状が1-2週間以上長続きしている場合には、伝染性単核球症の可能性があります。それだけでこの病気だと断言することはできませんし、似た病気も多くありますので、それらを区別する意味で一度医療機関を受診するのが良いでしょう。

もしかかりつけの内科クリニックがあれば、まずはそこで相談してみることをお勧めします。特に普段かかっている病院がなければ、一般内科もしくは耳鼻科のクリニックも良いでしょう。

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伝染性単核球症でお困りの方

伝染性単核球症については、根治薬がないのが現状です。1-2か月ほど症状が持続することが多いのですが、基本的には自然の経過で症状が治まる病気です。その間は解熱薬などで対症療法を行いながら治るのを待つことになります。

症状としては肝臓そのものが腫れて大きくなったり、血液検査で肝酵素の数値が上昇したりします。ご自身の体調とこれら検査の値を考慮して、症状が重い時には入院の上で治療を行います。入院とは言っても特別な治療薬はありませんので、症状がそれ以上悪化しないのを日々確認して、病院内で安静に過ごすということが目的の入院になります。安静というのはベッド上から動いてはいけないということではなく、重労働や過剰な運動を避けて、十分な食事や睡眠をとる生活を送ることが大切です。

EBウイルスは唾液を介して周囲に感染します。20歳以上の方では統計的に90%以上が既に感染したことがあり、そのような方は体内に抗体があるので2回目の感染をすることはありません。一方で、それまでに感染したことのない方が、他人の唾液の中にいるEBウイルス(決してめずらしいものではなく、数割の方の唾液から検出されます)に触れると感染が広がります。飲み物の回し飲み、食器の共有、キスなどをきっかけに伝染しやすいものですが、感染してから発症するまでに潜伏期間が6-8週間あるため、何が感染のきっかけだったのかは分からないことが多いです。

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