らいそぞーむびょう
ライソゾーム病(総論)
細胞内のライソゾームという構造物における酵素の働きが悪く、本来分解されるべき物質が溜まってしまう遺伝性の病気の総称
4人の医師がチェック
68回の改訂
最終更新: 2019.01.29
ライソゾーム病(総論)の基礎知識
POINT ライソゾーム病(総論)とは
ライソゾーム(リソソーム)は一つ一つの細胞内に含まれる構造物で、不要な糖質や脂質、タンパク質などを分解する役割があります。ライソゾームが遺伝的に欠損している、または機能が悪い場合に発症する病気をまとめてライソゾーム病と呼んでおり、主なライソゾーム病は30種類ほど、非常に珍しいものも合わせると60種類ほどが確認されています。主なライソゾーム病にはゴーシェ病、ニーマン・ピック病、GM1/2ガングリオシドーシス、ムコ多糖症、ファブリー病、シスチン症、ポンペ病などが挙げられます。詳細に関してはそれぞれの疾患ページをご覧ください。症状はそれぞれの病気によって異なりますが、心臓・腎臓・脳など中枢神経・肝臓・脾臓・骨・眼・筋肉などに異常が現れやすいです。治療も病気により異なりますが、酵素補充療法や造血幹細胞移植などが行われています。ライソゾーム病が心配な方や治療したい方は、子供の場合は小児科、大人の場合は症状がでている臓器の専門にあたる内科を受診するのが望ましいです。ライソゾーム病は全体として珍しい病気なので、ライソゾーム病が疑われる場合には専門の医療機関や医師を紹介されることになります。
ライソゾーム病(総論)について
- 細胞内のライソゾーム(リソソームとも呼ぶ)という構造物における酵素の働きが悪く、本来分解されるべき物質が溜まってしまう遺伝性の病気の総称
- ライソゾームは細胞の中にある、不要な脂質や糖質、タンパク質などを分解する構造物
- ライソゾームの中に様々な酵素が存在し分解をしているが、ある酵素の働きが悪くなると、分解されるべき物質が溜まってしまい、その結果細胞の機能が低下してしまう
- 働きの悪くなる酵素によって病気が多種存在する
- 主に数十種類の病気がライソゾーム病に含まれる
- 主な病気の分類(詳細はそれぞれの疾患を参照)
- ムコ多糖症
- リピドーシス
- ゴーシェ病
- ニーマン・ピック病
- GM1-ガングリオシドーシス
- GM2-ガングリオシドーシス
- テイ・サックス病
- 異染性脳白質ジストロフィー
- ファブリー病
- ポンペ病
ライソゾーム病(総論)の症状
- 異常が出やすい臓器(疾患により異なる)
- 心臓(息切れ、動悸、呼吸困難、むくみ、など)
- 腎臓(疲労感、むくみ、食欲不振、吐き気、など)
- 脳など中枢神経(めまい、けいれん、動きの異常、など多様)
- 肝臓(腹部の膨満感など)
- 脾臓(腹部の膨満感など)
- 骨(骨の変形など)
- 眼(視力の低下など)
- 筋肉(筋力の低下など) など
ライソゾーム病(総論)の検査・診断
- 以下のような検査の中から必要なものを行い、疑われる病気に対してはより詳細な検査を行う
- 身体診察
- 採血検査
- 尿検査
- 画像検査(CT検査やMRI検査など)
- 超音波(エコー)検査 など
ライソゾーム病(総論)の治療法
- 疑われる病気により大きく異なる
- 酵素補充療法や造血幹細胞移植などが行われることがある
- 厚生労働省の指定難病であり、基準を満たせば治療費の補助を受けられる
この記事は役に立ちましたか?
MEDLEY運営チームに、記事に対しての
感想コメントを送ることができます