つうふうじん
痛風腎
痛風を起こす尿酸の結晶が腎臓に溜まることで炎症を起こし、腎機能が低下した状態
2人の医師がチェック 46回の改訂 最終更新: 2024.05.03

痛風腎の基礎知識

POINT 痛風腎とは

尿酸の結晶(痛風の原因となる)が腎臓にたまって腎炎を起こしている状態を指します。痛風の人は高血圧など、他にも腎臓にダメージを与える要因を持っていることも多く、様々な要因があいまって月単位・年単位で腎臓の機能が失われていきます。腎障害があっても自覚症状はほとんど出ませんが、かなり進行すると尿が出にくくなる、体がむくむ、疲れやすい、食欲が出ない、吐き気などの症状が出現します。痛風腎は血液検査や、尿検査から疑われ、腎臓超音波(エコー)検査などによって診断され、必要に応じて腎生検が行われます。治療としては塩分制限、アルコール制限、プリン体制限、蛋白制限などの食事療法、適度な運動をまず行います。血液中の尿酸値を下げる薬や、腎臓で尿酸の結晶ができにくくなる薬もしばしば使われます。痛風腎が心配な方や治療したい方は腎臓内科を受診してください。

痛風腎について

  • 痛風を起こす尿酸の結晶が、腎臓に溜まることによって腎臓に炎症を起こした状態
  • 痛風では、高血圧症合併することが多く、痛風腎とあいまって腎臓の機能を低下させる(高血圧症が原因の腎機能低下は腎硬化症という)

痛風腎の症状

  • 腎臓がダメージを受ける:慢性腎臓病になっても、かなり進行するまで症状はでない
    • 慢性腎臓病が著しく進むと以下のような症状が見られる
      • 尿が出にくい
      • 足などがむくむ
      • 疲れやすい
      • 食欲が出ない
      • 吐き気がする など
  • 尿路結石合併することもある
    • 尿路結石がある場合には、激しい背中や下腹部の痛みが出ることがある

痛風腎の検査・診断

  • 血液検査
    • 腎機能や尿酸値を調べる
  • 尿検査
    • 尿タンパクの有無などを調べる
  • 腎臓超音波(エコー)検査
  • 必要であれば腎臓の生検を行い顕微鏡で検査を行う
    • 腎生検は背中から太めの針を刺して、腎臓を一部採取する検査
    • 大出血などの危険もあるため、入院で行われることが多い

痛風腎の治療法

  • 慢性腎臓病の治療と同様に行う
    • 食塩やタンパク質の少ない食事を摂る
    • 進行すると、血液透析などの腎代替療法が必要となる
  • その他に水分の十分な摂取や、プリン体やアルコールの制限を行う
  • 高尿酸血症に対しては必要に応じて以下のような薬物を用いる(詳細は高尿酸血症の項を参照)
    • 尿酸の産生を抑える薬
    • 尿酸の排泄を促す薬

痛風腎のタグ

痛風腎に関わるからだの部位