知っておくべき低カリウム血症の注意点
お年寄りの人や利尿薬などを飲んでいる人は低カリウム血症を起こしやすく注意が必要です。また、低カリウム血症を経験した時と同じ症状が出たら病院を受診するようにしてください。
1. 低カリウム血症が起きやすい人はどんな人か?
低カリウム血症は血液中のカリウム濃度が低くなった状態で、筋力低下や
- お年寄りの人
- 利尿薬などを飲んでいる人
- 甲状腺機能亢進症などの持病がある人
当てはまる人にはそれぞれの注意点があるので、詳しくは以下で説明していきます。
お年寄りの人
お年寄りの人は若いころに比べ、ご飯を食べる量が少なくなる傾向があります。そのため、口からのカリウム摂取が不足しがちになります。加えて、お年寄りの人では足の
利尿薬などを飲んでいる人
利尿薬などの低カリウム血症を起こしやすい薬を飲んでいる場合も低カリウム血症に注意が必要です。低カリウム血症を起こしやすい薬としては以下があります。
- 利尿薬
- フロセミド(商品名:ラシックス®︎錠など)
- ヒドロクロロチアジド(商品名:ヒドロクロロチアジド錠など)
抗菌薬 ・抗真菌 薬- ペニシリン(商品名:注射用ペニシリンGカリウム)
- リポソーマル・アムホテリシンB(商品名:アムビゾーム®︎点滴
静注 用)
- 抗不整脈薬
- ジゴキシン(商品名:ジゴシン®︎錠など)
インスリン 製剤- 甘草を含む漢方薬、サプリメント
これらの薬を使用中に、体の力の入りづらさや動悸などの症状があれば、低カリウム血症の可能性がありますので、病院で調べてもらうことをお勧めします。
甲状腺機能亢進症などの持病がある人
甲状腺機能亢進症などの病気は低カリウム血症を起こす可能性があり、こうした持病がある人も低カリウム血症に注意が必要です。低カリウム血症を起こす病気の例としては以下のものがあります。
これらの病気が持病にある方で、筋力低下や動悸など低カリウム血症を疑う症状がある場合には病院を受診するようにしてください。
また、原因となっている病気の治療をすることで、これらの病気による低カリウム血症を防ぐことができます。原発性アルドステロン症、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症については「原因の章」「治療の章」に詳しく説明をしています。
2. 低カリウム血症を経験した人が注意すること
過去に低カリウム血症の経験がある人では、低カリウム血症の再発を予防するための注意が特に大切です。これは低カリウム血症を起こしやすい病気をもともと持っているなど、何らかの原因があることが多いためです。では、具体的にはどのような注意点があるのでしょうか。以下の2点が考えられます。
- 偏った食事を避ける
- 以前と同じ症状が出たら病院を受診する
それぞれの注意点の内容を説明します。
偏った食事を避ける
偏った食事をし、カリウムの摂取が不足することは低カリウム血症の原因となります。過去に低カリウム血症を起こした人は偏った食事をしないよう注意する必要があります。
常識的な範囲の食事内容であれば、カリウムの摂取不足になることはほとんどありません。しかし、ダイエットで極端に偏った食事をすることや、アルコールの依存症などによって食事からのカリウム摂取が不足すると低カリウム血症の原因になります。
以前と同じ症状が出たら病院を受診する
過去に低カリウム血症の経験がある人が再度同じ症状を自覚した場合、低カリウム血症が原因となっている可能性があります。病院を受診して、低カリウム血症を起こしていないか調べてもらうようにしてください。