抗リン脂質抗体症候群の症状について:片半身の麻痺、流産を繰りかえす
抗リン脂質
1. 抗リン脂質抗体症候群の症状
抗リン脂質抗体症候群の代表的な症状としては以下のものがあります。
- 身体の片側が動かしにくい、しゃべりにくい
- 胸が痛い、息が切れる
- 足の
むくみ や痛み - 流産を繰りかえす
- 皮膚に
潰瘍 ができる
ここで挙げる症状が複数当てはまる人や、繰り返している人は、抗リン脂質抗体症候群が特に疑われる状況です。医療機関への受診をお勧めします。以下でそれぞれの症状について、詳しく説明していきます。
身体の片側が動かしにくい、しゃべりにくい
血のかたまりが脳の血管につまると脳梗塞の症状があらわれます。具体的には突然片方の手や腕、足に力が入りにくくなったり、しゃべりにくくなったりします。治療が遅れると後遺症を残すこともあるので、これらの症状がある場合には、すぐに医療機関に受診するようにしてください。
胸が痛い、息が切れる
血のかたまりが肺の血管につまると、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)と同じ症状があらわれます。具体的には突然の胸の痛み、息切れ、
足のむくみや痛み
血のかたまりが足の血管にできると足のむくみや痛みがあらわれます。特に片方だけの足がむくむ、血管に沿ってしこりが触れる、痛みがある、といった場合には、血のかたまりが原因となっている可能性が高いので、医療機関の受診をお勧めします。
流産を繰りかえす
妊娠しているお母さんが抗リン脂質抗体症候群になると、赤ちゃんに栄養を送る血管に血のかたまりがつまって流産してしまうことがあります。また、流産までいたらなくとも、十分な栄養が行き渡らず、赤ちゃんの発育不良の原因になることもあります。抗リン脂質抗体症候群に対する治療を行うことで流産や発育不良は防ぐことができます。気になる人はお医者さんと相談してみてください。
皮膚に潰瘍ができる
血のかたまりが皮膚に栄養を与える血管につまると、十分な栄養がいきわたらず皮膚がえぐれた状態になります。この状態を潰瘍(かいよう)と言います。潰瘍ができると皮膚は黒ずみ、また痛みも伴います。治療により改善することができるので、お医者さんと相談してみてください。
2. 抗リン脂質抗体症候群が心配な人は何科に行けばいい?
もし、抗リン脂質抗体症候群が心配で流産の悩みがある人は産婦人科へ、それ以外の人は内科を受診することをお勧めします。そのうえで症状や検査結果から抗リン脂質抗体症候群が疑わしい場合には、抗リン脂質抗体症候群を専門としているリウマチ内科や
また、抗リン脂質抗体症候群の症状の中には脳梗塞や肺塞栓症のように一刻を争う症状もあります。夜間や休日に身体の片側が動かしにくい、しゃべりにくい、息切れがする、といった症状があらわれた場合には、すぐに救急の外来を受診するようにしてください。