あっぱくせいにゅーろぱちー(こうやくせいにゅーろぱちー)
圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)
神経に持続的な圧迫が加わることで起こる神経障害の総称。圧迫性神経障害とも言われる
8人の医師がチェック 126回の改訂 最終更新: 2022.03.01

圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)の基礎知識

POINT 圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)とは

神経に持続的な圧迫が加わることで起こる神経障害の総称です。神経のダメージは一時的なこともあれば、しばらく残ることもあります。代表的な圧迫性ニューロパチーとして橈骨神経麻痺や尺骨神経麻痺、手根管症候群などがあります(詳細はそれぞれのページを参照)。圧迫性ニューロパチーは放置すると、筋肉の萎縮にもつながるので、なるべく早く圧迫を解除することが重要です。圧迫性ニューロパチーが疑われる人には神経伝導検査や針筋電図、画像検査(頭部CT検査やMRI検査)が行われます。圧迫を解除したあとには神経のダメージを早く回復するためにビタミン剤の内服をすることもあります。圧迫性ニューロパチーが心配な人は整形外科や脳神経外科、脳神経内科を受診してください。

圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)について

  • 神経に持続的な圧迫が加わることで起こる神経障害の総称
    • 神経が一時的に麻痺する
    • 圧迫の力が強かったり圧迫される時間が長かったりすると、神経の組織が損傷して元に戻らなくなることがある
  • 障害される神経はその原因(姿勢などの圧迫の原因)によって変わる
    • 腫瘍などによる病変などの圧迫
    • 正座や腕枕、足組みなどによる体外からの圧迫 など
  • 代用的な圧迫性ニューロパチーの例
  • 神経が障害されやすい以下のような疾患にかかると、生じるリスクが高まる

圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)の症状

  • 症状は神経が圧迫されることで徐々に起こる
    • 手足の運動障害や感覚障害(しびれ、感覚の鈍さ)などが起こる
  • 放置すると、その神経の命令を出す筋肉が萎縮してしまうこともある

圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)の検査・診断

  • 神経伝導検査:神経の電気信号がどの程度通りにくくなっているか調べる
  • 針筋電図:病気の原因が筋肉なのか末梢神経なのか、中枢性なのか鑑別に役立つ
    • ただし痛みを伴う検査であり、必要に応じて行う
  • 頭部CTまたはMRI検査:脳卒中でないことを確認するために行う場合もある
  • チネル徴候:障害を受けている神経のあたりをトントンと叩くとピリピリした感じがする
    • 障害を受けた神経が再生しつつあると起こる

圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)の治療法

  • 圧迫を解除して安静にすれば軽快することも多い
    • ただし、手根管症候群のように体内の構造物が神経を圧迫している場合は外科的治療が必要になることもある
  • その他の治療
    • 薬剤治療:ビタミン製剤を使用することがある
    • リハビリテーション:筋肉の硬さを和らげたり、運動習慣をつけるために行う
  • 予防のため気をつけること
    • 足組み、正座、腕枕など、長時間に一定の場所が圧迫される姿勢をとりすぎないようにする

圧迫性ニューロパチー(絞扼性ニューロパチー)のタグ

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