そっこんかんしょうこうぐん
足根管症候群
足のくるぶしのそばを通る神経が圧迫を受けて、足先の痛みやしびれが生じる病気
5人の医師がチェック 32回の改訂 最終更新: 2022.03.14

足根管症候群の基礎知識

POINT 足根管症候群とは

足根管(足のくるぶしにある神経の通り道)が狭くなり神経が圧迫を受けた状態です。炎症や骨折、捻挫などが主な原因になり、足のしびれ・痛みなどが症状になります。神経圧迫の原因を調べるために、画像検査(レントゲン検査・CT検査・MRI検査)が行われます。治療としては、痛み止めと安静を組み合わせた対症療法が中心ですが、症状がひどい場合や治らない場合には手術が検討されます。足根管症候群が心配な人は整形外科を受診してください。

足根管症候群について

  • 足のくるぶしのそばを通る神経が圧迫を受けて、足先の痛みやしびれが生じる病気
    • 足の内くるぶしには、足根管と呼ばれるトンネル状の部分(靭帯に囲まれた部分)がある
    • この足根管の中を後脛骨神経と呼ばれる神経が通っている
    • 何らかの原因で足根管が狭くなると、神経が圧迫されて痛みやしびれの原因となる
  • 足根管が狭くなる原因
    • 炎症による足の腫れ(細菌感染、痛風やリウマチなどの関節炎)
    • 炎症以外の原因での足の腫れ(心不全腎不全
    • 外傷(骨折、捻挫など)
    • 腫瘍(皮膚、筋肉、骨の腫瘍。ガングリオンなどの良性腫瘍から悪性腫瘍まで)

足根管症候群の症状

  • 主な症状
    • 足のしびれ
    • 足の痛み
  • 症状の範囲
    • 足裏が典型的
    • つま先や足首近くにも症状が出る場合がある

足根管症候群の検査・診断

  • 画像検査
    • レントゲン検査
      • 骨折や、骨の出っ張り(骨棘)、骨腫瘍などの有無を確認する
    • CT検査
    • MRI検査
      • レントゲン検査よりも詳細な画像が得られる
      • 骨以外に、足の内部の腫れも確認することができる

足根管症候群の治療法

  • 原因となる疾患によって治療は異なる
    • 足のむくみ心不全腎不全による)が原因であれば、点滴や利尿薬などの治療を行う
    • 関節炎が原因であれば、抗菌薬ステロイド薬など、関節炎の種類に応じた治療を行う
    • 外傷や、慢性的な骨・関節への負荷が原因の場合には治療が長引きやすい
  • 根本治療
    • 手術
      • 足根管を切り開いて、圧迫しないようにする
      • また、圧迫の原因となっているものを取り除く(腫瘍や、骨の破片、骨の出っ張りなど)
  • 対症療法
    • 局所麻酔薬の注射
      • 一時的に痛みを和らげることができる
      • 局所麻酔薬の作用時間は理論上は1-2時間だが、その後も数日以上に渡って痛みが軽減して感じられるという場合もある
    • ステロイド薬の注射
      • 炎症をやわらげて、腫れを抑えることで症状を軽減させる
      • 反復して慢性的に使用し続けると感染のリスクなどもあるため、効果と合併症のバランスに配慮して行われる
    • 痛み止めの薬(飲み薬、貼り薬)
    • 靴や足底板(靴の中敷き)を調整することで、圧迫部にかかる負担を軽減させる

足根管症候群のタグ

からだ

足根管症候群に関わるからだの部位