かいりせいしょうがい、てんかんせいしょうがい

解離性障害、転換性障害

何らかの問題をこころの深層に抱え、それが原因で体の症状や人格の解離が生じる病気。従来ヒステリーと言われてきた

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14人の医師がチェック 165回の改訂 最終更新: 2017.06.15

解離性障害、転換性障害の基礎知識

解離性障害、転換性障害について

  • 何らかの問題をこころの深層に抱え、それを象徴するものとして精神面や身体面に症状が現れるもの
  • 主に精神面に症状が現れる場合を解離性障害、身体面に症状が現れる場合を転換性障害と呼ぶ
  • 解離性障害:自分が自分であるという感覚が失われ、生活の支障を来たしてしまう
    • 本来1つにまとまっているはずの記憶や意識、感情やアイデンティティといった感覚をまとめる能力が一時的に失われてしまうことにより、社会的生活を営むことが困難となってしまう
  • 転換性障害:心理的葛藤が身体症状に転換されるもの
    • 器質的な異常がないにもかかわらず、身体の機能に異常を来す
    • 器質的な異常が引き金になることもある(怪我は治癒病気が、それ以上の治療を必要としない状態になること。完治とほぼ同じ意味しているにも関わらず痛みが続くなど)
  • 以下のような極度のストレスや心の傷(トラウマ)が引き金となって発症症状や病気が発生する、または発生し始めることすることがある
    • 子どもの頃に受けた虐待や不当な扱い
    • 衝撃的な出来事(事故、事件など)の体験や目撃
    • 耐えがたい心理的葛藤から、受け入れがたい情報や感情を意識から切り離さざるをえなくなった体験
  • 10-15歳頃より増加する
  • 女児・女性に多い
  • 明らかな原因は不明

解離性障害、転換性障害の症状

  • 様々なきっかけで下記のような症状が組み合わされて起こる
    • 小児では親や教師に叱られたことなどがきっかけになることが多い
  • 解離性健忘
    • ある出来事や特定の時期の記憶がなくなる
    • 多くは数日のうちに記憶が蘇る(よみがえる)が、ときには長期に及ぶ場合もある
  • 解離性とん走
    • 突然疾走し、行方をくらます
  • 解離性昏迷
    • 意識がはっきりせず、ぼんやりした状態になる
  • 解離性てんかん
    • 身体をつっぱり、がくがくとふるえる
  • 離人症
    • あたかも自分を外から眺めているように感じられる
  • 解離性同一性障害解離性障害の一つのタイプ、かつては多重人格と言われていた
    • 複数の人格をもち、それらの人格が交代で現れる(時には動物やぬいぐるみになることもある)
    • 別の人格の間で記憶は共有されていないことが多く、生活上の支障をきたすことが多くなる
  • カタレプシー他人に受動的にとらされた姿勢を保ち続け、自らの意思で変えようとしない状態
    • 体が硬く動かなくなる
  • その他に身体面の症状としては下記のようなものがある
    • 立てない、歩けない
    • 声が出ない
    • 手足を動かせない
    • 目が見えない など
  • 小児では遅刻を繰り返す、成績が落ちる、登校拒否などに至ることも多い

解離性障害、転換性障害の検査・診断

  • 他の病気を否定して初めて診断できる
  • 症状が出た状況や家庭環境・職場環境、悩みなどを理解することが重要
  • 心理検査:心理状態を調べる
    • 体系化された面接などを行う
  • 他の病気を否定するために必要な検査
    • 頭部MRI磁力(電磁波)を用いて、頭の中の状態を調べる検査。脳梗塞の診断などに用いられることが多い検査
    • 脳波検査脳が発している微弱な電流を検知して、脳の状態を調べる検査。一般的な手法では、頭部に21本の電極を貼って計測する
    • 尿検査:違法薬物などの使用がないかを確認するために行われる
  • うつ病統合失調症など他の診断が同時になされることもあり、また経過途中で診断が変わることもしばしばある

解離性障害、転換性障害の治療法

  • 「病気である」という認識を持つことが重要
    • きっかけとなった出来事や過去のエピソードなどを十分に理解し、安全感、安心感を持てる環境を整える
    • 家族や周囲の人の理解を得て、主治医との信頼関係を築く
  • 現時点で、解離性障害に有効な薬はないとされている
    • 併発しやすいうつ病などに対して抗うつ薬や抗不安薬向精神薬の一種で、睡眠薬としても使われる。バルビツール酸系、ベンゾジゼピン系、非ベンゾジゼピン系などがある抗精神病薬向精神薬の一種で、主に統合失調症に対して使われる精神科の薬が有効なこともある
  • 長期的な見通し
    • 症状の多くは、ある程度の時間を経れば自然に解消されるか、別の症状へ移行する
    • 解離性同一性障害解離性障害の一つのタイプ、かつては多重人格と言われていたの場合、自然回復は得られないことが多い

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