げんぱつせいせんもうきのうふぜんしょうこうぐん(かるたげなーしょうこうぐん)
原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)
線毛(細菌が体に入り込まないように排除する機能)の機能が生まれつき低下して、感染症を繰り返す病気
8人の医師がチェック 117回の改訂 最終更新: 2017.11.02

原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)の基礎知識

POINT 原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)とは

原発性線毛機能不全症候群(原発性線毛運動機能異常症)は生まれつき身体の中にある微細な毛(線毛)の動きが悪い病気です。常染色体劣性遺伝という形式で遺伝します。線毛の動きが悪いことで、体内に微生物が侵入してきてもうまく体外に出せません。そのため、肺や副鼻腔で感染が起こりやすくなります。原発性線毛運動機能異常症の患者さんの約半数で、内臓の左右が一般の人と反対になっているケースがあります。内臓逆位、気管支拡張症、慢性副鼻腔炎の3つを伴う原発性線毛運動機能異常症のことをカルタゲナー症候群と呼びます。内臓逆位はお腹の赤ちゃんの頃に内臓が移動する時に、うまく線毛が内臓を移動させられないことで起こると考えられています。原発性線毛機能不全症候群は、家族背景、症状、画像検査などで診断することが多いですが、線毛の運動を確かめるために鼻や気管支の粘膜を採取して特殊な顕微鏡で調べることがあります。完治できる治療はありませんが、症状を和らげるために薬(去痰薬・気管支拡張薬など)を用います。原発性線毛機能不全症候群が心配な人や治療したい人は、呼吸器内科・耳鼻咽喉科を受診して下さい。

原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)について

  • 粘膜や精子の表面にある線毛の機能が生まれつき低下している病気
  • 気管支や鼻の粘膜の機能が低下することで通常ならば体外に追い出せる細菌に感染しやすくなる
  • 遺伝(常染色体劣性遺伝)が原因で起こる
  • 患者の約50%で、内臓逆位(内臓が体の中心に対して左右反転している状態)をきたす
  • 慢性副鼻腔炎気管支拡張症、内臓逆位の原因となることがあり、これら3つが揃っている原発性線毛機能不全の場合にはカルタゲナー症候群という診断名になる
  • 精子の線毛が動きが悪くなることで不妊症の原因になる

原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)の症状

  • 子供の頃からの慢性的な鼻づまり:慢性鼻炎慢性副鼻腔炎
  • 耳鳴り、難聴中耳炎
  • 嗅覚低下
  • 咳:慢性気道感染症
  • 男性不妊症、女性不妊症子宮外妊娠など)
  • 眼の見え方の異常:網膜色素変性症
  • 気管支細菌感染が続くと、気管支が変形して気管支拡張症(気管支が通常よりも拡がってしまう)になる
    • 酸素の取り込み/吐き出しが上手くされなくなり慢性的な低酸素状態が起きる
    • 気管支の変形により出血しやすくなることで血痰が出ることがある
  • 慢性的な鼻づまりや嗅覚が鈍くなっていることに気づき、検査を受けることで見つかる場合がある

原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)の検査・診断

  • 画像検査
  • サッカリンテスト:粘膜の機能を診断するテストをして調べる
  • 99mTcアルブミン吸入シンチグラフィ
  • 鼻腔内一酸化窒素濃度検査:簡便であり近年注目されている
  • 生検:鼻の粘膜を採取して、顕微鏡で線毛の動きを観察する
    • 特殊な顕微鏡(電子顕微鏡)で観察することで確定診断をつけられる

原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)の治療法

  • 根治する治療はないので、主な治療は症状を緩和する対症療法になる
  • 基本的には予後良好な疾患である
  • 感染の治療として抗菌薬を使う
  • 場合によっては以下のような治療が行われることがある
    • マクロライド少量長期使用:粘膜機能の改善を狙ってマクロライド系抗菌薬を長期的に使用することがあるが、はっきりとした効果は証明されていない
    • 肺移植:若年者で気管支拡張症が進み、慢性的な呼吸機能低下をきたして命に関わる場合に行う
    • 喀血を繰り返す場合には肺の手術、副鼻腔炎がひどい場合には副鼻腔の手術を行うことがある
  • かぜインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなり、また重症化しやすいことから、予防接種を受けることが重要


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原発性線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群)に関わるからだの部位


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