丹毒の基礎知識
POINT 丹毒とは
丹毒は顔や足の皮膚に赤い変化が起こる病気です。溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染によって起こります。主な症状は、発熱・赤く腫れたような皮膚の変化・触ると生じる皮膚の痛みなどです。 症状の特徴や血液検査や細菌検査の結果を踏まえて診断されます。治療は抗菌薬を用いて行われます。丹毒が心配な人や治療したい人は、皮膚科・小児科・内科・感染症内科を受診して下さい。
丹毒について
丹毒の症状
- 急激な悪寒や高熱(39-40℃)とともに、顔や脚に熱を帯びた赤い腫れが出現する
- 腫れの表面は光沢があり、触ると硬く痛みがある
- 腫れの範囲は急速に拡大していく
- 赤くなっている部分の境界がはっきりとしている
- 全身のだるさや吐き気などの症状を伴うこともある
- 同じ部分に繰り返し
発症 することもある- 静脈やリンパのうっ滞が背景にある人は特に再発しやすい
丹毒の検査・診断
丹毒の治療法
丹毒の経過と病院探しのポイント
丹毒が心配な方
丹毒は皮膚に生じる感染症です。顔や手足に発症しやすいですが、傷口や虫の刺し口をきっかけに菌が入り込むと、皮膚のある場所ならばどこにでも生じる疾患です。
丹毒の診断は特別な検査なしで行います。経過と診察結果で診断し、炎症の強さを調べる意味で血液検査を行うこともありますが、こちらは診断のために必須なものではありません。
皮膚が赤く熱をもって腫れている場合など、ご自身が丹毒でないかと心配になった時には、もしかかりつけの内科や皮膚科クリニックがあれば、まずはそこで相談してみることをお勧めします。皮膚科の病気ではありますが、幅広く見られる一般的な感染症のため、内科でも診療が可能です。特に普段かかっている病院がなくて初めて受診するのであれば、皮膚科のクリニックが良いでしょう。丹毒はクリニックでも大病院でも、検査の精度や治療方針には差が出ない病気の一つです。症状が辛い中、大病院で長時間待つよりは、クリニックで素早く診断をつけてもらい、自宅で安静にするのも一つの選択肢です。
丹毒でお困りの方
丹毒の治療は抗生物質(抗菌薬)の使用になります。入院せず通院で治療できると判断されれば飲み薬での治療となります。
抗菌薬はペニシリン系、セフェム系がはじめは主に使われます。しかし薬剤に耐性を持った菌がいるため、最初のが効かなかった場合、抗菌薬を変更する必要があります。処方された薬を使用しても改善が見られない場合には、別の病院を受診するのではなく、出来る限り最初と同じ医療機関を再診するようにしてください。「この薬の効果がなければ次はこう考える」という二の手、三の手がある中で効く可能性の高いものから順に治療が行われるためと、最初の時点からの皮膚の様子の変化が経過を追う上で重要なためです。
現在の日本の医療体制では、「通院は近所のかかりつけ医、入院は地域の総合病院」といった分業と、医療機関同士の連携が重視されています。重症の患者さんが安心していつでも総合病院にかかれるように、総合病院でなくとも診療が行える病状の方は、できるだけ地域のクリニックを受診してもらうことで、住み分けを行うという形です。これには、地元に自分のかかりつけ医(主治医)を作ることで、その人の病状全体が把握できるというメリットもあり、必要あればその都度、病気ごとに専門の医師や医療機関と連携して診療を行います。
丹毒のタグ
丹毒に関わるからだの部位
