脳梗塞の検査について:CT検査、MRI検査など
脳梗塞の検査には画像検査(
1. 頭部CT検査
頭部CT検査の目的について
一方で、脳出血やくも膜下出血の診断はCT検査で見つけやすいです。頭部CT検査の検査時間は短いので、脳出血やくも膜下出血などと、脳梗塞を区別するために行われることが多いです。脳梗塞が疑わしい場合には、次で説明する
頭部CT検査に副作用はあるのか
頭部CT検査は放射線を使った検査です。
CT検査が原因で人体に障害が出たというはっきりとした証拠は今のところ見つかっていません。とはいえ、放射線に被曝する量は最低限にするべきです。CT検査は必要な理由があるときにだけ使うのが合理的と考えられます。
造影CT検査について
CT検査では、異常を見つけやすくするために、
CTアンギオグラフィについて
アンギオグラフィ(アンジオグラフィ)は血管の撮影に特化した方法です。
2. 頭部MRI検査
頭部MRI検査は磁気を使った検査です。MRIはMagnetic Resonance Imaging(核磁気共鳴画像法)の略です。
先ほど説明した頭部CT検査と異なり、頭部MRI検査は発症直後の脳梗塞を見つけやすいです。
MRI検査はCT検査と違って放射線被曝はありませんが、いくつか注意点があります。体内に金属製の人工物を植え込んでいる人、特に
また、MRI検査はCT検査よりも時間が長くかかることも違いの一つです。機械や撮影する条件によって変わってきますが、10分から20分くらいはかかります。さらに、非常に大きな音がする検査であるため、防音のためのヘッドフォンをつけます。
頭部MRI検査では、撮影条件を変えることでより詳しく脳の状態を調べることができます。次に代表的な撮影方法を説明していきます。
拡散強調画像
発症直後の脳梗塞が疑われたときによく使われる撮影方法が「拡散強調画像」です。他の多くの画像検査では発症直後の脳梗塞を判定できないという問題がありますが、拡散強調画像では発症直後から脳梗塞が判定できます。
T1強調画像・T2強調画像
いくつかあるMRI検査の撮影条件の中で、脳梗塞以外にも広く使われているのがT1強調画像とT2強調画像です。
T1強調画像では、脳梗塞は黒っぽく写ることが多いです。正常な脳組織では、表面に近い部分(灰白質)が黒っぽく、中身の部分(白質)が白っぽく写ります。そして、脳の隙間にあたる部分は黒く写ります。脳の周りは
一方、T2強調画像では、脳梗塞は白っぽく写ることが多いです。正常な脳組織は、灰白質が白っぽく、白質が黒っぽく写ります。脳
MRIの画像で白っぽく見えることを「高信号」、黒っぽく見えることを「低信号」と言います。
MRアンギオグラフィ
MRI検査ではMRアンギオグラフィと呼ばれる方法で、脳の血管を撮影することもできます。MRアンギオグラフィはCTアンギオグラフィと異なり、造影剤を使わずに、脳の血管を撮影することができます。
3. 血液検査
血液検査では、いま脳梗塞が起こっているかどうかはわかりません。
脳梗塞の
脳梗塞は高齢者に多い病気ですが、若い人が脳梗塞を起こした場合は血液の異常が起こる病気が隠れている可能性が高いため、血液検査は重要です。
4. 超音波検査(頚動脈エコー)
超音波検査には次のようなメリットがあります。
【超音波検査のメリット】
- 素早く行える
- 超音波検査はCT検査室やレントゲン検査室のような専用の検査室が不要です。診察室に検査装置とジェルが置いてあれば、その場ですぐに検査を受けられます。
- 動いているものも観察できる
- 超音波検査の画像はリアルタイムで見られるので、心臓などの臓器が動く様子もわかります。また、カラードプラ法という撮影方法を使うと、血液の流れも調べられます。
- 物の物理的性状がわかる
- 写っているものが石のように硬い塊なのか、中身は均一なのかといった性質がわかります。
- 放射線を使わない
- 放射線を使わないので被曝がありません。
- 身体を傷付けない
- 造影剤の注射などは行わないので、身体を傷付けることなく使えます。
一方で、超音波検査のデメリットもあります。
【超音波検査のデメリット】
- 深い部分が見えない
- 超音波が届かない深い部分の観察はできません。
- 一度に見える範囲が狭い
- 超音波検査で一度に見えるのはプローブの下にある部分だけです。CT検査やMRI検査のように広い範囲を一度に調べたい時には向いていません。
- 画面にノイズが入る
- 超音波検査の画像にはノイズが入ります。特に空気がある場所では、空気よりも向こう側が観察しにくくなります。
頚動脈狭窄とは、
頚動脈の狭窄の度合いはCTアンギオグラフィやMRアンギオグラフィ、血管造影検査(
5. 心電図検査
脳梗塞を原因ごとに分けると、
心電図は、30秒ほど安静にしている間に測定します。もし、30秒間でうまく不整脈が見つからなかった場合は、心電図のモニターを24時間つけたまま生活をする