2016.03.10 | ニュース

少量・短期間のビタミンD摂取でも喘息に有効?

日本の子供を対象にした試験から

from Allergy

少量・短期間のビタミンD摂取でも喘息に有効?の写真

ビタミンDは骨を始めとして様々な臓器に作用しますが、喘息に関してもビタミンDの摂取が有効と言われています。今回著者らは喘息を患う日本の子供達を対象に、低濃度・短期間でのビタミンDの効果を調べました。

◆89名の喘息患者の子供を対象に調査

著者らは、喘息を患う日本人の子供(89名)を無作為に、ビタミンDを摂取する群(800IU/日、54名)と偽薬を摂取する群(35名)に分けました。摂取後2ヶ月と6ヶ月に、喘息発作の頻度と重篤度を判定しました。

 

◆2ヶ月の摂取で喘息が改善

著者らは以下の結果を得ました。

2ヶ月で、偽薬群と比較してビタミンD摂取群で、GINAが規定する喘息制御が有意に改善された(P=0.015)。

つまり、低容量、短期間(2ヶ月間)のビタミンD摂取で、喘息発作の頻度・重篤度が低下しました。

著者らは、「標準的な治療に加えて低容量の短期間のビタミンD補充は、学童期の子供の喘息のコントロールを改善するかもしれない。」と述べています。

 

喘息に対するビタミンDの作用は知られていましたが、今回の調査は、沢山摂らなくても、短期間でもビタミンD摂取が有効である結果となりました。ビタミンDの大量摂取による血中カルシウム濃度への影響を考えると、低量での有効性は非常に大事と思われます。

椎茸やきくらげ、イワシやしらす干し等のビタミンDを多く含む食品が効果を現しうるかも興味が湧いてくる点です。

執筆者

高田

参考文献

Improved Control of Childhood Asthma with Low-Dose, Short-Term Vitamin D Supplementation: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.

Allergy. 2016 Feb 3.

[PMID: 26841365 ]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る