少量・短期間のビタミンD摂取でも喘息に有効?

ビタミンDは骨を始めとして様々な臓器に作用しますが、喘息に関してもビタミンDの摂取が有効と言われています。今回著者らは喘息を患う日本の子供達を対象に、低濃度・短期間でのビタミンDの効果を調べました。
◆89名の喘息患者の子供を対象に調査
著者らは、喘息を患う日本人の子供(89名)を無作為に、
◆2ヶ月の摂取で喘息が改善
著者らは以下の結果を得ました。
2ヶ月で、偽薬群と比較してビタミンD摂取群で、GINAが規定する喘息制御が
有意 に改善された(P=0.015)。
つまり、低容量、短期間(2ヶ月間)のビタミンD摂取で、喘息発作の頻度・重篤度が低下しました。
著者らは、「標準的な治療に加えて低容量の短期間のビタミンD補充は、学童期の子供の喘息のコントロールを改善するかもしれない。」と述べています。
喘息に対するビタミンDの作用は知られていましたが、今回の調査は、沢山摂らなくても、短期間でもビタミンD摂取が有効である結果となりました。ビタミンDの大量摂取による血中カルシウム濃度への影響を考えると、低量での有効性は非常に大事と思われます。
椎茸やきくらげ、イワシやしらす干し等のビタミンDを多く含む食品が効果を現しうるかも興味が湧いてくる点です。
執筆者
Improved Control of Childhood Asthma with Low-Dose, Short-Term Vitamin D Supplementation: A Randomized, Double-Blind, Placebo-Controlled Trial.
Allergy. 2016 Feb 3.
[PMID: 26841365 ]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。