妊娠中にビタミンDを多く摂ると子どものアレルギー性鼻炎を予防するかもしれない

ビタミンDとアレルギーの関係については、さまざまな議論があります。今回の研究では、妊娠中のお母さんのビタミンD摂取と生まれた子どものアレルギー性鼻炎発症との関連が検討されました。
◆妊娠中のビタミンD摂取量と血液中のビタミンD濃度を調査
対象は1,248人のお母さんとその子ども(小学校低学年)です。
妊娠中にお母さんが摂取していた
◆ビタミンD摂取量が増えるとアレルギー性鼻炎リスクが下がる
以下の結果が得られました。
食品由来のビタミンD摂取量が妊娠初期、妊娠中期に100IU/日(牛乳8オンスに含まれるビタミンDに相当する量)増えるごとに、子どもが学童期までに一度でもアレルギー性鼻炎を経験するオッズがそれぞれ21%(オッズ比0.79(95%CI、0.67-0.92))、20%(0.80(0.68-0.93))低下することと関連が見られた。
母親がビタミンDをサプリメントで摂ることと、[...]子どもがアレルギー性鼻炎を発症することとの関連は見られなかった。
お母さんが妊娠初期から中期に食事から摂取するビタミンDの量が多いほうが、子どもが小学校低学年までにアレルギー性鼻炎を発症する場合が少なくなっていました。ただし、ビタミンDをサプリメントで摂った場合は、リスクの低下は見られませんでした。
研究チームは「妊娠中の食事ににビタミンDを含む食品を採り入れることは、生まれる子どものアレルギー性鼻炎の予防に有益な影響をもたらすかもしれない」と結論しています。
妊娠中に、脂の多い魚、卵、バター、キノコなどビタミンDを多く含む食品を適切に摂ること。これは栄養のバランスをとるという意味からも大切かもしれません。
執筆者
Prenatal, perinatal, and childhood vitamin D exposure and their association with childhood allergic rhinitis and allergic sensitization.
J Allergy Clin Immunol. 2016 Feb 10. [Epub ahead of print]
[PMID: 26874366]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。