2016.10.31 | ニュース

ビタミンDが喘息の悪化を防ぐ?最新の研究状況を調査

7件の研究報告から
from The Cochrane database of systematic reviews
ビタミンDが喘息の悪化を防ぐ?最新の研究状況を調査の写真
(C) Andrey Popov - Fotolia.com

ビタミンDが喘息の治療に有効とする説があります。実際に治療に使った研究も報告されています。しかし、標準的な治療とはみなされていません。これまでの研究報告の調査が行われ、効果を示すデータがまとめられました。

ここで紹介する研究は、文献を調査する方法で、喘息に対するビタミンDの効果を見積もっています。

研究班は、文献データベースを検索し、関係する研究報告を集め、研究の質などを評価したうえで、報告されている結果をまとめました。

喘息発作の頻度または喘息による症状に対してビタミンDの効果を調べた研究を調査対象としました。

 

見つかった7件の研究報告をまとめたところ、次の結果が得られました。

ビタミンD投与は、副腎皮質ステロイドの全身投与を必要とする喘息発作の率を減少させ(率比0.63、95%信頼区間0.45-0.88、680人の参加者、3件の研究、高い質のエビデンス)、救急治療部受診または入院またはその両方を必要とする喘息発作が1回以上起こることを減らす(オッズ比0.39、95%信頼区間0.19-0.78、有益なアウトカムが加わるためのNNT27、963人の参加者、7件の研究、高い質のエビデンス)。

ビタミンDによって、喘息発作によりステロイド薬の全身治療(点滴など)が必要になる回数が少なくなり、救急治療や入院が必要になることを予防できると見られました。

ビタミンDの副作用について次の結果が得られました。

ビタミンD投与は深刻な有害事象のリスクに影響しない(オッズ比1.01、95%信頼区間0.54-1.89、879人の参加者、5件の研究、中等度の質のエビデンス)。

ビタミンDを使うことで、使わないよりも深刻な副作用などが増えることはないと見られました。

 

ビタミンDは喘息に何らかの有益な効果がありそうだというデータが示されました。

ただし、あくまでも吸入薬などの標準的な治療は行うことが前提です。このデータをもとに、「ビタミンDが薬の代わりになる」とは言えません。

また、ビタミンDによる深刻な副作用は問題になっていませんが、副作用を適切に管理するためにも全身の状態をよく見ながら治療することは大切です。特に骨粗鬆症や腎臓の病気の治療には影響する可能性があります。喘息の治療中は、ビタミンDを試す前に必ず主治医に相談してください。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Vitamin D for the management of asthma.

Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 5. [Epub ahead of print]

[PMID: 27595415]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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