日本人の朝食と脳出血は関係がある?

朝起きられない、忙しいなどの理由で朝食を食べない方は多いのではないでしょうか。朝食を食べないと体にどのような影響を与えるのでしょうか。今回は朝食の摂取と脳卒中の関係を検証しています。
◆ 朝食が脳卒中に与える影響
日本全国の保健所、研究機関が共同研究し、1995年から2010年までの間、45から74歳の82,772名(男:38,676人、女:44,096人)の日本人を対象に、週に何回朝食を食べるか調査しました。対象者は朝食を食べる割合で0から2回/週、3から4回/週、5から6回/週、7回/週のグループに分けられました。対象者に発生する病気も調べられました。朝食を食べる回数によって病気の頻度が違うかが検討されました。
◆ 朝食を摂取しない人は脳出血になる可能性が高い
以下の結果が得られました。
フォローアップ期間の1,050,030人年の間に、合計4,642件
発症 し、3,772件の脳卒中(脳出血:1,051件、くも膜下出血:471件、脳梗塞:2,286件)、870件の冠動脈 疾患があった。多変量解析にて毎日朝食を摂取する人と1週あたり1度も朝食を摂取しない人を比較すると、すべての
心血管疾患 のハザード比1.14(95%信頼区間1.01-1.27:Ptrend=0.013)、すべての脳卒中のハザード比1.18(1.01-1.27:0.013)、脳出血のハザード比1.36(1.10-1.70:0.004)だった。
朝食を毎朝食べる人に比べ、まったく食べない人は脳出血を発症する頻度が1.36倍に多くなっていました。
朝食を摂取することで、必要なエネルギーを補給でき、集中力や学習意欲、記憶力などが向上すると言われています。それだけでなく、朝食を摂取することは脳卒中の予防にもつながるかもしれません。
執筆者
Association of Breakfast Intake With Incident Stroke and Coronary Heart Disease: The Japan Public Health Center-Based Study.
Stroke. 2016 Feb.
[PMID: 26732562]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。