2016.03.12 | コラム

視床出血の特徴とは!?症状、治療、予後についての解説

視床出血
視床出血の特徴とは!?症状、治療、予後についての解説の写真
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この記事のポイント

1.脳出血はなぜ起こる!?脳出血の原因と出血を起こしやすい部位について
2.視床出血を起こすとどんな症状が出る?視床出血の特徴について
3.視床出血を起こしたらどんな治療法が行われる?治療についての概略
4.回復はするの?後遺症と予後について

脳の視床と呼ばれる部分は脳出血を起こしやすい部位の一つです。視床出血を起こすと片麻痺や感覚障害といった症状を示すことがあります。今回は、視床出血の症状、治療、予後について解説していきます。

◆脳出血はなぜ起こる!?

脳の血管の中には脳穿通動脈と呼ばれる細い血管があります。脳出血は、この細い血管に小さな瘤(コブ)ができ、それが破裂することにより引き起こされると考えられています。脳出血の主な原因は高血圧であり、高血圧性脳出血とも呼ばれます。高血圧の状態が続くと血管に加わる圧が高くなり血管が破裂しやすくなる危険が高くなります。

◆視床出血を起こすとどんな症状が出る?視床出血の特徴について

視床出血は被殻出血に次いで発症頻度が多いと言われています。脳出血により神経症状が現れる原因は二つあります。一つ目は出血により神経細胞を破壊してしまう場合です。また、出血をするとその周囲がしばらくの間むくみ浮腫)ます。二つ目の原因として挙げられるのは、この浮腫により周囲の細胞を圧迫してしまい結果的に神経細胞を破壊してしまう場合です。

視床は感覚神経の中継地点としての役割を担う為、視床出血を起こすと反対側への感覚障害やしびれなどの症状が現れやすいです。視床の周りには内包と呼ばれる運動神経の通り道や、脳室と呼ばれる脳脊髄液(脳内で日々一定量産生・吸収されている液体)が循環している部屋が隣接しています。出血量が多くて内包と呼ばれる部位まで血液が満たされる、あるいは浮腫により圧迫されると反対側の手足に片麻痺が現れることがあります。脳室に出血が及んだ場合(脳室穿破と呼ぶ)は、脳脊髄液の流れを阻害することになるため、急性水頭症という危険な合併症を引き起こす可能性があります。

◆視床出血を起こしたらどんな治療法が行われる?治療についての概略

視床という部分は脳の深部に位置しているということもあり、視床出血では原則的に外科的治療は行われません。そのため、内科的治療が行われます。内科的治療は、主に血圧管理脳浮腫管理が中心となります。血圧が高いと再出血する危険があります。そのため、降圧薬を投与し厳重な血圧管理が行われます。

また、脳出血を発症すると出血した周りにむくみを生じます。むくみの程度が強くなると脳を圧迫して神経細胞を破壊してしまう恐れもあります。このため視床出血後は、薬を用いて脳のむくみをできるだけとるように治療をします。

◆回復はするの?後遺症と予後について

視床出血の症状は、その出血の範囲と量によって異なります。そのため、後遺症や回復の予後に関しても出血の範囲出血量により異なってきます。視床の近くに位置する内包に障害が及ぶと前述したとおり運動麻痺を起こすことが多いため、より後遺症が残る可能性も高くなります。また、視床の下方に位置する中脳と呼ばれる部分に障害が及んだ場合、意識障害を起こす可能性が高いと言われています。これは、中脳を含む脳幹と呼ばれる部分が生命維持に大きく関与しているからです。

後遺症を少しでも減らし、元の生活に戻れるようにサポートするのがリハビリテーションです。リハビリテーションは症状改善を目的に早期から内科的治療などと並行して行われます。

 

視床は、感覚神経をはじめとした様々な神経の中継地点としての役割を担います。視床出血は起こりやすい脳出血の一つであり、発症すると感覚障害や運動麻痺などの症状を引き起こします。しかし、これらの症状は出血の範囲や量によって異なります。出血の量が多く、運動神経の通り道である内包と呼ばれる部分や意識に関与する中脳などに障害が及ぶと、回復に時間がかかり後遺症を残すことも少なくないです。後遺症の軽減・回復を目指す為、早期からのリハビリテーションが推奨されています。

執筆者

中嶋 侑

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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