高タンパクの朝食が血糖値を改善する!

青年期における過体重あるいは肥満レベルは、将来の為にも改善が望まれますが、特に血糖値を正常範囲で調節しながらの改善が必要です。今回著者らのグループは朝食の内容に着目し、高タンパク質の朝食が及ぼす影響を調べました。その結果、35gのタンパク質を含む高タンパク質を朝食に摂る事で、血糖値の変動が改善される結果が得られました。
◆28人の10代を2集団にわけ、高タンパク質朝食の効果をブドウ糖計測で検討
著者らは以下の調査を検討しました。
28人の健康だが過体重の10代(年齢は19±1歳、
BMI は29.9±0.8 kg/m2)について、12週間の無作為パラレルアーム(2群間)試験を行った。内容は350kcalの通常タンパク質レベルの朝食(13gタンパク質)または高タンパク質の朝食(35gタンパク質)を食べた。研究前後の24時間血中ブドウ糖 の計測を連続ブドウ糖モニターで行った。
つまり太っているけど糖尿病ではない10代28人に対し、12週間とる朝食を高タンパク質か通常タンパク質かの2グループに分けて、血中ブドウ糖の計測で比較を行いました。
◆高タンパク朝食をとると、ブドウ糖変動が低減する
以下の結果が得られました。
高タンパク朝食の消費はまた、24時間で最大時(つまりピーク時)のブドウ糖応答を減らし(高タンパク朝食は-0.94±0.36 mmol/l、通常タンパク朝食は+0.30±0.18 mmol/l、P<0.01)、食後ブドウ糖変動を減らした(高タンパク朝食は-0.88±0.44 mmol/l、通常タンパク朝食は+0.49±0.34 mmol/l、P<0.03)。
つまり高タンパク質食を朝食にすると、一日で最大になる時のブドウ糖値を減らし、食事後のブドウ糖の変化量も減らす結果となりました。
著者らは、「これらのデータは、過体重か肥満以外は健康で、”朝食を抜く”青年において、日々35gの高品質タンパクを含む高タンパク朝食を摂ることが通常量タンパク質朝食よりも、自由な生活をしながらの
10代の肥満は生活習慣や環境など様々な要因が絡みますが、このように朝食の質を改善する方法も対策になるかもしれません。高タンパク質朝食にかかる費用や調理方法など、日常的に無理なく実践できる具体的な方法についても提言があれば、毎日の食事の参考にできるかもしれませんね。
執筆者
A pilot study examining the effects of consuming a high-protein vs. normal-protein breakfast on free-living glycemic control in overweight/obese 'breakfast skipping' adolescents.
Int J Obes (Lond). 2015 Jun 1.
[PMID: 26028058] http://www.nature.com/ijo/journal/vaop/ncurrent/full/ijo2015101a.html
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。