マンモグラフィーの結果が外れやすい女性の4つの特徴
マンモグラフィーは乳がんを見つけ出す性能が高いとされていますが、絶対ではありません。検査結果が最終的な診断と一致しないことは、どんな人に多いのでしょうか。
◆偽陽性・偽陰性はどんな人に多いか
検査で病気の可能性があるという結果(陽性)が出ても、最終的な診断では病気がないとされることがあります。このような検査結果を
研究班は、
アメリカの登録データベースから、40歳から89歳の女性でマンモグラフィーを受けた405,191人を対象として、統計解析を行いました。
◆若い人ほど偽陽性が多い
次の結果が得られました。
偽陽性の結果の率(女性1,000人あたり121.2件、95%信頼区間105.6-138.7)、画像検査の追加の推奨の率(女性1,000人あたり124.9件、95%信頼区間109.3-142.3)は40歳から49歳の女性で最も高く、年齢が上がるごとに減少した。
偽陰性の結果の率(女性1,000人あたり1.0から1.5件)[...]は年齢によって大きく違わなかった。
偽陽性の率はリスク要因のある女性でより高く、特に乳がんの家族歴がある、以前に乳腺
生検 で良性 の結果がある、乳腺密度が高い、また若い女性でBMI が低い場合で高かった。
偽陽性は女性1,000人のうち100人を超える人で出ていると見られました。偽陰性は女性1,000人あたり1件から1.5件程度と見られました。
40歳以降で若い人ほど偽陽性が多いと見られました。さらに偽陽性が多い人の特徴が見つかりました。
- 家族で以前に乳がんが見つかっている
- 以前に乳腺を切り取る検査を受け、
がん はないと診断されたことがある - 画像上で濃く写る「乳腺密度が高い」という特徴がある
- BMI(体重÷身長の2乗)が低いやせた人で、かつ若い
乳がんはがんの中では比較的若い人に多いものですが、毎年マンモグラフィーを受けるべき年齢は40歳よりは高いという意見があります。
検査は多く受けるほどよいものではなく、「がんかもしれない」という結果を見て必要以上に心配になったり、体を傷付ける検査で出血や感染が起こるリスクもあります。どんなときにマンモグラフィーを受けるのが適切かを判断するために、こうしたデータが役に立つかもしれません。
執筆者
Factors Associated With Rates of False-Positive and False-Negative Results From Digital Mammography Screening: An Analysis of Registry Data.
Ann Intern Med. 2016 Jan 12. [Epub ahead of print]
[PMID: 26756902]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。