妊娠中にワクチンを打っても問題なし?破傷風、ジフテリア、百日咳の混合ワクチンを検証

百日咳による新生児の死亡増加がアメリカで起きたことをきっかけに、破傷風、ジフテリア、百日咳の混合ワクチン(Tdapワクチン)が推奨されています。今回の研究では、Tdapワクチンによる副作用について検証しました。
◆破傷風、ジフテリア、百日咳の混合ワクチンの副作用は?
破傷風、ジフテリア、百日咳は、
今回の研究では、以前に破傷風の予防ワクチンを接種した妊婦29,155人を対象に、前のワクチンの時期によって、Tdapワクチンの接種による副作用に違いがあるかを検証しました。副作用は、発熱や
◆2年以内に破傷風ワクチンを打っていても副作用は変わらず
以下の結果が得られました。
医療を必要とする急性の有害事象や新生児への有害事象の発生率について、破傷風を含むワクチンを以前に打った時期とは関係なく、統計的に
有意 な差は認められなかった。
破傷風ワクチンを以前に打った時期によって、Tdapワクチンの副作用は影響を受けませんでした。
研究班は「この結果から、比較的最近に破傷風を含むワクチンを受けていても、妊娠中にTdapワクチンを接種したあとの危険性が増すことはないと示唆される」と述べています。
妊娠中のワクチン接種に関して、不安な妊婦さんも多いかもしれません。このような研究結果を参考にしながら、主治医と相談の上、予防につとめることが重要です。
執筆者
Association of Tdap Vaccination With Acute Events and Adverse Birth Outcomes Among Pregnant Women With Prior Tetanus-Containing Immunizations.
JAMA. 2015 Oct 20
[PMID: 26501534]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。