2015.07.27 | ニュース

妊娠中に破傷風ワクチンを打つと、子どもの破傷風を予防できる

乳児1万人のレビュー
from The Cochrane database of systematic reviews
妊娠中に破傷風ワクチンを打つと、子どもの破傷風を予防できるの写真
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破傷風のワクチンは定期予防接種として子どもに使われますが、産まれて間もない時期の破傷風予防のため、妊娠中の女性に使われることもあります。これまでの研究報告を検証した結果、妊娠中の女性が使っても子どもの破傷風に予防効果が見られました。

◆妊娠中の女性に接種

研究班は、論文データベースからこれまでの研究を検索し、妊娠中の女性に破傷風ワクチンを接種したとき、産まれてくる子どもに対する効果を調べたものを集めて検証しました。

 

◆ワクチンで破傷風の発症および死亡を予防

見つかった論文から次の結果が得られました。

2件の有効性試験(計9,823人の乳児が対象)と1件の安全性試験(48人の母親)が採用された。

[...]2回接種または3回接種によって、新生児死亡に対する予防効果が見られた(リスク比0.02、95%信頼区間0.00-0.30、対象は688人の乳児、GRADE評価で中等度の質のエビデンス)。

新生児期の破傷風発症例は、破傷風トキソイド群で少なくとも1回の破傷風トキソイドを接種したあとでは減少した(リスク比0.20、95%信頼区間0.10-0.40、対象は1,182人の乳児、GRADE評価で中等度の質のエビデンス)。

破傷風ワクチンの接種によって、子どもの破傷風の発症および破傷風による死亡が少なくなっていました

安全性について次の結果が得られました。

[...]小規模試験による評価では、妊娠中の女性の間で、破傷風ジフテリア・非細胞性百日咳ワクチンを接種された人のほうが偽薬注射を受けた人よりも注射部位の痛みが報告されることが多かったとされた(リスク比5.68、95%信頼区間1.54-20.94、GRADE評価で中等度の質のエビデンス)。

破傷風ワクチン接種を受けた女性に、注射を打った場所の痛みの症状が出ることが、偽薬を注射したときよりも多くなっていました。

 

破傷風はワクチンで有効に予防されますが、発症すると重い症状を起こし、死亡につながることも少なくありません。ワクチンの中でも、「生ワクチン」という種類のものは妊娠中には適しないとされますが、破傷風ワクチンはこの研究で示されたように使うことができます。接種を考えている方には、こうした実績が参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Vaccines for women for preventing neonatal tetanus.

Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jul 6 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26144877]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。