2016.12.14 | ニュース

妊娠中にインフルエンザにかかっても、子どもは自閉症にならない?

アメリカ19万人の統計から
from JAMA pediatrics
妊娠中にインフルエンザにかかっても、子どもは自閉症にならない?の写真
(C) Monet - Fotolia.com

自閉症スペクトラム障害の原因はわかっていません。妊娠中の感染症は子どもに影響する場合がありますが、妊娠中のインフルエンザの影響を調べた研究から、子どもの自閉症スペクトラム障害が増えるとは言えなかったことが報告されました。

アメリカの研究班が、妊娠中のインフルエンザまたはインフルエンザワクチンの接種と子どもの自閉症スペクトラム障害の関連を調べた研究を『JAMA Pediatrics』に報告しました。

1か所の研究施設で2000年から2010年に産まれた子ども196,929人の記録が調査対象とされました。妊娠24週未満での出生は対象から除かれました。

 

統計解析により次の結果が得られました。

合計3,101人の子どもが自閉症スペクトラム障害を診断された(1.6%)。共変数で調整したのち、妊娠期間を通じた母親のインフルエンザ感染も(調整ハザード比1.04、95%信頼区間0.68-1.58)、インフルエンザワクチン接種も(調整ハザード比1.10、95%信頼区間1.00-1.21)、自閉症スペクトラム障害のリスク増加とは関連しなかった。

妊娠中にインフルエンザに感染した人でも、インフルエンザワクチンを打った人でも、子どもの自閉症スペクトラム障害は多いとは言えませんでした

妊娠初期・中期・後期に分けて解析しても、統計的に適切な処理を行ったうえで計算すると、インフルエンザワクチンと自閉症スペクトラム障害に関連は見られませんでした

 

米国予防接種諮問委員会 (ACIP) は、妊娠期間がインフルエンザシーズンと重なる女性は、妊娠の週数にかかわらずワクチンを接種するのが望ましいと提言しています。

今回の報告ではインフルエンザ感染と子どもの自閉症スペクトラム障害に関連が見られないという結果でしたが、妊娠中のインフルエンザ感染は胎児の死亡と関連するとした報告もあります。

インフルエンザワクチンは妊娠中でも安全です。2016年は例年より早く流行が始まりました。流行が始まってからの予防接種では、予防効果が現れる前に感染してしまう可能性もありますが、打つことに意味はあります。

妊娠中の女性もその家族や周りの方も、インフルエンザの対策をして、健康な妊娠を続ける役に立ててください。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Association Between Influenza Infection and Vaccination During Pregnancy and Risk of Autism Spectrum Disorder.

JAMA Pediatr. 2016 Nov 28. [Epub ahead of print]

[PMID: 27893896]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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