2016.02.08 | コラム

インフルエンザはどうやって感染するの?ウイルスの種類、感染の原因、潜伏期間について解説

インフルエンザの総論

インフルエンザはどうやって感染するの?ウイルスの種類、感染の原因、潜伏期間について解説の写真
1. インフルエンザはどこから体に入るの?感染経路と感染の仕組みを解説
2. インフルエンザウイルスの種類はいくつ?A型、B型・・実はC型もあります
3. インフルエンザウイルスA型の亜型「H」と「N」の意味って何?
4. インフルエンザの潜伏期間 風邪との違いは?

インフルエンザの治療薬や対処法に詳しい人は多いかもしれませんが、そもそも「なぜインフルエンザにかかるのか」については意外と知られていません。このページでは、インフルエンザの感染経路、インフルエンザの種類、潜伏期間などを解説します。

◆インフルエンザはどこから体に入るの?感染経路と感染の仕組みを解説

インフルエンザの予防や治療薬については注目されることがありますが、そもそもインフルエンザはどこから体に入り、どのように感染していくのでしょう。

まず、インフルエンザウイルスの感染経路は2種類に分けられます。飛沫感染接触感染です。飛沫感染は、咳、くしゃみ、会話などで、目にあまり見えない水滴に含まれた菌が口や鼻を通して感染します。接触感染は、ウイルスが付いた物に触れ、その後、口や鼻などを手で触ることで感染します。口や鼻から体内に侵入したインフルエンザウイルスは、粘膜に付着します。粘膜に付着したインフルエンザウイルスは、細胞内に入り込み、増殖することで感染していきます。

インフルエンザの治療薬は、この増殖の仕組みを邪魔する役割を持っており、抗インフルエンザ薬として効果があると言われています。しかし、実はインフルエンザウイルスの種類によって、無効となってしまう治療薬もあります。それでは、インフルエンザウイルスの種類について説明します。

 

◆インフルエンザウイルスの種類はいくつ?A型、B型・・実はC型もあります

インフルエンザウイルスにはいくつかの種類があります。よく耳にする種類は、「A型、B型」といった大きな分類です。A型はもっとも感染力が強いと言われている種類です。B型はA型と比べると感染力がやや劣ることが知られています。

実は、インフルエンザにはC型もあるということをご存知でしたでしょうか?C型はA型やB型と比べて、感染力も弱く、症状としても重症化することが少ないため、あまり注目されないのです。

大きな分類としては、インフルエンザウイルスA型、B型、C型があることを説明しましたが、さらにA型はその亜型があります。同じA型でも、数種類のH○N○型(○には数字が入ります)があります。H1N1型、H3N2型という呼び名を聞いたことがある人もいるかもしれません。この「H」と「N」は何を表しているかご存知でしょうか?

 

◆インフルエンザウイルスA型の亜型「H」と「N」の意味って何?

この「H」と「N」は、インフルエンザウイルスの表面にあるトゲのような形をした抗原と呼ばれる部分の型を示しています。それらの抗原の名前は、ヘマグルチニン、ノイラミニダーゼです。「H」は「ヘマグルチニン」、「N」は「ノイラミニダーゼ」の頭文字です。

Hは1-16型、Nは1-9型に分類され、人に感染しやすい型としては、H1,2,3/N1,2があります。ちなみに、鳥インフルエンザはA型の一種で、H5N1型、H7N9型といった亜型で示されています。

 

◆インフルエンザの潜伏期間 風邪との違いは?

それでは、最後にインフルエンザの潜伏期間について説明します。まず潜伏期間とは、「病原体への感染から症状が出現するまでの期間」を表します。インフルエンザは、感染してからどのくらいで発症するのでしょう?

おおよそ2-3日と言われています。もちろん、この潜伏期間はばらつきますが、長くても1週間程度です。潜伏期間の間、もし感染している人と接した場合、接した人は感染する可能性が高くなります。風邪の原因ウイルスや細菌によっては、少しインフルエンザの方が短いかもしれません。

なお、潜伏期間中にインフルエンザの検査キットを使った検査を行っても、判定は困難です。その理由として、検査キットはウイルスが一定数まで増殖しないと判定できないためです。

 

インフルエンザの感染経路や種類について解説してきました。一度感染してしまうと、症状が治るまで時間が必要です。予防のためにも、インフルエンザワクチンの予防接種や日頃からマスク、手洗いなどを気をつけることが大事です。

執筆者

MEDLEY編集部

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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