◆指圧を行う群と偽指圧を行う群にランダムに振り分け
化学療法を受ける肺がん患者57人を、エッセンシャルオイルを用いて指圧を行う群、エッセンシャルオイルなしで指圧を行う群、偽指圧を行う群の3群にランダムに分けました。
指圧は、親指の付け根、すね、足首に毎朝1回、5ヶ月間行いました。
化学療法の前と治療中に効果を測定しました。
◆指圧を行うと、疲労や睡眠の質が改善する
以下の結果が得られました。
ベースラインのアウトカム値、年齢、指圧の遵守率で調整すると、エッセンシャルオイルで指圧を受けた対象と指圧のみを受けた対象は、偽指圧を受けた対象よりも、第3クールの初日の時点で、有意に日常生活の疲労感はより減少し、睡眠の質はより改善した。
指圧を受けると、化学療法開始後、指圧を受けていない場合と比べて、日常生活の疲労や睡眠の質が改善するという結果でした。
筆者らは、「エッセンシャルオイルの有無に関わらず、指圧は化学療法を行っている肺がん患者のがん関連疲労を減らし、日常生活レベルを増やすことに役立ちそうだ。」と結論付けています。
がん患者の生活の質(QOL)に関わる疲労感や睡眠の質といった重要な要因に、今後少しでも有効な治療法が確立されていくことを願います。
執筆者
Effects of acupressure on fatigue of lung cancer patients undergoing chemotherapy: an experimental pilot study.
Complement Ther Med. 2014 Aug
[PMID: 25146059]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。