2015.09.01 | ニュース

多発性硬化症の疲労症状に指圧が有効

ランダム化比較試験により検証

from Global journal of health science

多発性硬化症の疲労症状に指圧が有効 の写真

多発性硬化症は免疫力が異常に働いて、自分自身の体を攻撃する自己免疫疾患の一種です。症状のひとつに疲労が挙げられます。今回の研究は、多発性硬化症患者を対象に疲労に対する指圧の有効性を検証しました。

◆すねや足首、手の付け根に指圧を実施し効果を検証

多発性硬化症の女性患者100名を、指圧をする群と対照群にランダムに分け、疲労への効果を検証しました。 指圧は、すねや足首、手の付け根付近にあるポイントに実施しました。

 

◆指圧直後、2週間後、4週間後で疲労が改善

治療開始時点では各群で差は見られませんでしたが、治療後は以下の結果が得られました。

[...]、治療直後、2、4週間後のそれぞれで(p=0.03、p<0.001、p=0.04)、対照群と比較して実験群で、疲労の平均スコアが有意に減少した。

指圧を行うと、治療を行わなかった場合と比べて、治療直後、2、4週間後に調べた疲労の程度が改善しました。

筆者らは、「この知見により、今回の研究は、[...]疲労を管理するために、指圧を多発性硬化症患者に教えるという選択肢を提供した。」と結論付けています。

 

指圧によりなぜ疲労が回復するかといったメカニズムについて、今回の研究からは明らかにできません。多発性硬化症という難病の一症状である疲労に対して、有効な手段が今後検証されることを期待します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Effect of acupressure on fatigue in women with multiple sclerosis.

Glob J Health Sci. 2015 Jan 26

[PMID: 25946938]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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