水痘の予防接種に効果あり、アメリカでの水疱瘡流行は2005年以降減少していた
水痘(水ぼうそう)はワクチンで効果的に予防できるとされています。実際に多くの人が予防接種を受けているアメリカで、予防接種を広めるプログラムの前後のデータを比較したところ、流行の件数、人数、期間が減少していました。
◆2007年よりも前と後で比較
アメリカでは2007年から水痘の予防接種を標準的に行うプログラムが始まり、その前後で予防接種の効果がより大きく見られるようになっていることが予想されます。
研究班は、アメリカの水痘の流行について報告されたデータを使って、2005年と2012年の間での流行に変化があったかを調べました。
◆アウトブレイク件数、人数、期間が減少
次の結果が得られました。
921件のアウトブレイクが、2005年から2012年の間の各年についてデータを提供した6州から報告された。これら6州のデータに基づくと、アウトブレイクの件数は2005年の147件から2012年には78%減少して33件になっていた(P=0.0001)。
アウトブレイクの規模、持続期間はこの期間に
有意 に減少した(P<0.001)。
十分なデータが得られた6州について、水痘の流行の件数は2005年と比べて2012年には78%少なくなっていました。1件の流行あたりの人数は少なく、流行が続いた期間は短くなっていました。
研究班は、この結果から「水痘ワクチンのルーチン2回接種プログラムは、アメリカにおける水痘アウトブレイクの件数、規模、持続期間を減少させたように見える」と結論しています。
水痘ワクチンは日本でも定期接種が行われています。水痘は成人ではじめてかかると重症になりやすく、また水痘の症状が治まったあとも
執筆者
Impact of the United States Two-Dose Varicella Vaccination Program on the Epidemiology of Varicella Outbreaks: Data from 9 States, 2005-2012.
Pediatr Infect Dis J. 2015 Jul 16 [Epub ahead of print]
[PMID: 26186103]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。