2015.07.09 | ニュース

子どものピロリ菌感染を予防するワクチン、有効率71%

中国4千人のランダム化試験
from Lancet (London, England)
子どものピロリ菌感染を予防するワクチン、有効率71%の写真
(C) poosan - Fotolia.com

ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こし、胃がん、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病などのリスクとも関連すると言われています。感染が見つかった人に除菌治療が行われることがありますが、感染を予防する方法は確立されていません。新たにピロリ菌のワクチンが開発され、中国の子どもを対象に効果を試したところ、ワクチンを打った子どもで新たに感染する割合が少なくなりました。

◆中国の感染のない子どもを対象に

研究班は、中国の1か所の施設で、6歳から15歳のピロリ菌に感染していない子ども4,464人を対象として、ワクチンを接種するグループと接種しないグループにランダムに振り分けました。

 

◆感染の71%を予防

ワクチンを接種したのち、次の結果が得られました。

最初の1年間でピロリ菌の感染イベントを64件記録し(ワクチン群のリスク期間2,074.3人年のうち14イベント、偽薬群のリスク期間2,089.6人年のうち50イベント)、ワクチンの有効性は71.8%(95%信頼区間48.2-85.6)と計算された。ワクチン群の157人(7%)と偽薬群の161人(7%)が少なくとも1回の有害事象を報告した。深刻な有害事象はワクチン群の5人(1%未満)と偽薬群の7人(1%未満)から報告されたが、ワクチンに関連すると見られるものはなかった。

ワクチンを接種したグループのほうが、ワクチンを接種しないグループに比べて接種後およそ1年間にピロリ菌に感染する割合が少なく、感染の71.8%を予防したと見られました。深刻な副作用は見つかりませんでした。

 

ワクチンによってピロリ菌の感染を予防する効果が認められれば、今後ワクチン接種が広く使えるようになるかもしれません。ただし、ワクチンを接種したのち長期的にも予防効果があるのか、感染予防が胃潰瘍などの発症率低下に結び付くのかといった点は別に考える余地がありそうです。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Efficacy, safety, and immunogenicity of an oral recombinant Helicobacter pylori vaccine in children in China: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial.

Lancet. 2015 Jun 30 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26142048]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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