2016.05.11 | ニュース

水ぼうそうのワクチンはどれぐらい効くのか?

2014年までの研究データから

from Pediatrics

水ぼうそうのワクチンはどれぐらい効くのか?の写真

水ぼうそうのワクチンは、1歳から3歳のすべての子供が2回の注射を受けなければならないと決められています。予防接種で水ぼうそうは防げるのでしょうか。なぜ2回注射があるのでしょうか。これまでに示されてきた研究データがまとめられました。

◆ワクチンで水ぼうそうは防げるか?

水ぼうそうは水痘帯状疱疹ウイルスが原因で子供に多く起こります。水ぶくれなどの症状があるほか、一度感染したウイルスが何年もあとで再び活動し、帯状疱疹として痛みや水ぶくれの症状を起こす原因にもなります。

ここで紹介する研究は、水ぼうそう(水疱瘡、水痘)のワクチンの効果についてこれまでになされた複数の研究からデータを集め、統合して解析することで、ワクチンの効果を推定したものです。

調べる対象を1995年から2014年の間の研究としました。

 

◆1回の注射で重症は98%、2回の注射で全体の92%を予防

統合したデータから次の結果が得られました。

1回接種のワクチン有効性を統合すると、すべての水痘に対して81%(95%信頼区間78%-84%)、中等度から重度の水痘に対しては98%(95%信頼区間97%-99%)であり、ワクチンの種類または研究デザインとワクチン有効性の間に有意な関連は見られなかった。2回接種のワクチン有効性はすべての水痘に対して92%(95%信頼区間88%-95%)であり、研究デザインが違っても推定量は類似していた。

1回の注射で、水ぼうそう全体の81%を予防し、特にある程度以上に重症の水ぼうそうに限れば98%が予防されると見積もられました。また、2回注射することで、軽度の水ぼうそうも含む全体のうち92%が予防されると見られました。

 

ワクチンの効果は実際に多くの人が使って病気が予防されたという結果をもとに認められています。水ぼうそうのワクチンも、2回注射することで効果があるというデータが出ていました。この報告によって、改めて期待されたとおりの効果が確認され、安心してワクチンを使い続ける根拠になります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Global Varicella Vaccine Effectiveness: A Meta-analysis.

Pediatrics. 2016 Mar.

[PMID: 26908671]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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