内視鏡生検で萎縮性胃炎があった人の50人に1人で20年以内に胃がんが発症する

ピロリ菌の感染などにより、胃が萎縮性胃炎という状態になると、胃がんができやすいと言われています。スウェーデンで検査を受けた人の経過を調べたところ、内視鏡検査で萎縮性胃炎が見つかった人の約1/50で20年以内に胃がんが発症していました。
◆胃の
研究班は、スウェーデンで胃の
◆胃炎で85人に1人、萎縮性胃炎では50人に1人
解析から次の結果が得られました。
フォローアップの最初の2年間を除いて、1,599件の胃がんが同定された。年間の胃がんの粗発症率は正常粘膜群で20×10^(-5)であり(標準化発症率比1.0)、[...]胃炎があった人では59×10^(-5)、標準化発症率比1.8、萎縮性胃炎があった人では100×10^(-5)、標準化発症率比2.8[...]だった。
検査のあと1年あたりの胃がんの発症率は、生検で胃炎が見つかった人で10万分の59、萎縮性胃炎が見つかった人で10万分の100でした。
研究班はこの結果を「[...]胃炎がある人の85人に1人、萎縮性胃炎がある人の50人に1人[...]が20年以内に胃がんを発症する」とまとめています。
内視鏡検査を受けるとき、あるいは内視鏡検査で異常を指摘されたときに、こうした見積もりがその後の治療を考える助けになるかもしれません。ただし、胃がんの発症率は国によっていくぶん異なり、スウェーデンと日本でこれらの数字が違ってくる可能性も考えられます。日本人についての数字もあればさらに参考になるかもしれません。
執筆者
Incidence of gastric cancer among patients with gastric precancerous lesions: observational cohort study in a low risk Western population.
BMJ. 2015 Jul 27
[PMID: 26215280]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。