てんかん患者のうつ症状改善にオンライン治療が効果あり

てんかん患者がうつ症状を合併すると、生活の質(QOL)や自殺リスクに影響を与えることが知られています。しかし、てんかん患者のうつの治療は確立されていません。今回の研究では、てんかんの自覚症状がある人を対象にオンラインで精神治療を行い、うつ症状に対する効果を検証しました。その結果、統計的に有意な改善が見られたと報告されました。
◆てんかんとうつ症状がある人をオンライン群とコントロール群にランダム化
今回の研究では、てんかんの自覚
対象者は、
オンライン群とコントロール群で、9週間後にうつ症状や
◆オンライン群でうつ症状、QOLが有意に改善
調査の結果、以下のことが報告されました。
コントロール群と比較して、オンライン群ではBeck Depression Inventory-l[...]が
有意 に減少し、その効果は中程度であった。一方、ITT解析を行うと、その効果は小さかった。
さらに、Epilepsy Inventory-31[...]におけるQOLのサブスケールである「エネルギー/疲労」は有意に改善し、その効果は中程度であった。
つまり、オンラインによるうつ症状改善プログラムにより、うつ症状を軽減し、疲労に関連するQOLを向上させるという結果となりました。
今回の結果をうけて、筆者らは「うつ症状を
近年、精神疾患に対するオンライン治療の報告が見られるようになりました。この研究で使われた「Deprexis」の効果を調べた研究は、以前にもMEDLEYニュースで紹介しています。
「インターネット上の治療でうつが治る?」
http://medley.life/news/item/552a6dbed05b85580132e144
自宅での治療には、メリットもデメリットもありそうですが、医師の方々はどのようにお考えでしょうか?
執筆者
Efficacy of a psychological online intervention for depression in people with epilepsy: a randomized controlled trial.
Epilepsia. 2014 Dec
[PMID: 25410633]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。