エトレチナート製剤
ビタミンAと類似した化学構造をもつレチノイドという物質の一つで、皮膚や粘膜を正常に保つ作用などにより乾癬、魚鱗癬などの皮膚角化異常症などの改善作用をあらわす薬
エトレチナート製剤の解説
エトレチナート製剤の効果と作用機序
エトレチナート製剤の薬理作用
乾癬や魚鱗癬などの皮膚角化異常症(角層が分厚く、硬く、あらくなり落屑などを生じる)は免疫異常などによっておこると考えられていて、ビタミンAによる皮膚や粘膜を正常に保つ作用によりこれらの疾患の皮膚症状の改善効果が確認されている。
本剤(エトレチナート)はビタミンAと類似した化学構造を持つレチノイドの一つであり、一般的に毒性が少なく治療効果が大きいという特徴を持っている。本剤の作用する機序はハッキリはしていないが、角層細胞の接着力低下(落屑)とともに正常な上皮の再形成(増殖および分化)に関与するとされ、皮膚角化異常症や口腔粘膜の過角化などへの改善作用が期待できる薬剤となる。
エトレチナート製剤の主な副作用や注意点
ビタミン A製剤(主に内服薬 、注射剤)との併用に関する注意- 本剤とビタミンA製剤は併用禁忌(併用しないこと)とされている
- 本剤はビタミンAの様な作用をあらわすため、上記の製剤との併用により、ビタミンA過剰症と類似した副作用があらわれる可能性がある
- 催奇形性に関する注意
- 本剤による催奇形性の症例報告があり、妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には本剤は使用しない
- 妊娠する可能性のある婦人への投与では、投与中止後においても少なくとも2年間は避妊することとされている
- 男性への投与に関する注意
- 精子形成能に異常をおこす可能性があり男性が使用する場合、本剤の投与中及び投与後少なくとも6ヶ月は避妊することとされている
エトレチナート製剤の一般的な商品とその特徴
チガソン
- 高脂肪食摂取後の本剤の血液中濃度に関する注意
- 本剤は高脂肪食や牛乳と一緒に服用した場合、本剤の血中濃度が増加する可能性がある
- 本剤の吸収を一定にするため、食事の質を均一化するなどの注意が必要となる