禁煙補助薬
禁煙治療におけるニコチン離脱症状を軽減したり、喫煙で得られる満足感を減らすことで無理のない禁煙へ導く薬
禁煙補助薬の解説
禁煙補助薬の効果と作用機序
禁煙補助薬の薬理作用
ニコチンは脳などの中枢と末梢(中枢以外の体の各部分)の両方に作用し、喫煙によるニコチン摂取によりニコチン依存症を引き起こす。ニコチンは依存性だけでなく中毒性ももち、通常量でも頭痛、不眠などといった症状があらわれ過量摂取においては嘔吐、震え、けいれんなどといった症状をおこす場合もある。またニコチン依存症は、がん、呼吸器疾患、脳卒中・心筋梗塞・不整脈などの循環器疾患など様々な病気の温床にもなる。
ニコチン依存症を治療する禁煙の治療は主に「経口禁煙補助薬による治療」と「ニコチン置換療法」に分かれる。
経口禁煙補助薬はニコチンを含まない治療薬で喫煙による満足感を減らす作用をあらわす。ニコチンは脳の神経にあるニコチン受容体というものに作用して働く。経口禁煙補助薬のバレニクリン(商品名:チャンピックス)はこの受容体を少しだけ活性化することで、ニコチンが作用しているような状態をつくる。またその状態でニコチンが脳内に入ってきてもニコチン受容体の結合部位がバレニクリンで占められているため、ニコチンは受容体に結合できない。これにより禁煙による離脱症状や切望感などを抑え、薬の服用中に喫煙したとしても満足感を減らすことができる。
ニコチン置換療法は、禁煙時に出現するニコチン離脱症状(タバコが吸いたい、イライラするなど)に対して喫煙以外の方法でニコチンを体内に補給し、その症状を軽くすることで無理なく禁煙につなげる方法。治療薬にはニコチンパッチ(医療用医薬品及び一般用医薬品)とニコチンガム(一般用医薬品)がある。
禁煙補助薬の主な副作用や注意点
禁煙補助薬の一般的な商品とその特徴
チャンピックス
- ニコチン受容体に作用する「経口禁煙補助薬(バレニクリン製剤)」
- 使用方法など
- 最初の1週間[通常、1日1回(1日量0.5mg)から開始し、4日目からは1日2回(1日量1mg)に増量する]
- 2週目以降[通常、8日目からは1日量を2mgとし1日2回に分けて服用する(
症状 などによっては、1日量を1mgとする場合もある)] - 服用開始2週間分がまとまったスタートパックがある
- 服用中、特に注意すること
- 頻度は稀だが、眠気や
意識障害 などがあらわれる場合があるので十分注意する
- 頻度は稀だが、眠気や