2017.04.10 | ニュース

禁煙治療の個別カウンセリングは薬を使っても使わなくても有効

文献の調査から

from The Cochrane database of systematic reviews

禁煙治療の個別カウンセリングは薬を使っても使わなくても有効の写真

禁煙したいと思っても、自分の決意だけでやめるのは意外に難しいものです。病院でも禁煙治療を受けることができます。個別カウンセリングによる効果としてこれまでの研究で出ている結果が調査されました。

文献を集める方法で、過去に行われた研究から、禁煙治療のための個別カウンセリングの効果として出ている結果をまとめた研究を紹介します。

禁煙治療の方法として、カウンセリングなどのほか、禁煙補助薬を使う方法もあります。この研究は患者ひとりひとりのための個別カウンセリングに注目して、短いアドバイスや自助のための教材と比べて効果が高いかを調べています。

研究班は研究データベースを2016年5月までの範囲で検索し、関係する研究報告を集めました。採用条件に当てはまる49件の研究が見つかりました。

 

見つかったデータの解析から次の結果が得られました。

  • 薬を使わない条件で比較すると、個別のカウンセリングは短いアドバイスなどの方法よりも禁煙できる割合が高い
  • 全員が薬を使う条件で比較すると、個別のカウンセリングは短いアドバイスなどよりも禁煙できる割合が高い
  • 簡単なカウンセリングよりも集中的なカウンセリングのほうがやや効果が高い。

 

禁煙治療に対する個別のカウンセリングの効果を紹介しました。

喫煙は肺がんだけでなく心筋梗塞や脳卒中など多くの病気が発生する確率を高くします。健康のために禁煙はとても大切です。

しかし、喫煙者ひとりの努力では禁煙に失敗しやすいこともわかっています。家族や周りの人がサポートすることも大切です。さらに適切な禁煙治療は禁煙を手助けできます。

禁煙補助薬は有効ですが、副作用もあり、ほかの選択肢があることで治療法の幅は広がります。多くの研究結果として効果が確かめられているカウンセリングは、信頼できる選択肢のひとつと言えます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Individual behavioural counselling for smoking cessation.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Mar 31.

[PMID: 28361496]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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