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閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)

閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)の基礎知識

閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)とは?

  • 動脈硬化(動脈にコレステロールなどの沈着物が溜まった状態)が進むことで、足などの血行不良と強い痛みが起こる病気
  • 動脈硬化の原因となるものが、閉塞性動脈硬化症を引き起こす原因となる
  • 50-60歳代の男性に多い

症状

  • 手足に以下のような症状が出る
    • 重さ、だるさ
    • 冷え
    • しびれ
    • 痛み
    • 傷の悪化:小さな切り傷や水虫の治りが悪くなり、さらに傷口が広がっていきやすくなる
  • 間歇性跛行(かんけつせいはこう)
    • 歩くと足がしびれたり痛くなったりするが、少し休むとまた歩けるようになる
    • 症状が進むと、歩いていないときにも痛みが出てくる

検査・診断

  • 触診:手足の動脈の拍動を調べる
    • 血流量が少ない場合には、拍動が感じられない
  • 確定診断をするために必要な検査
    • 手足の血圧測定:手と足の血圧の違いを調べる
    • 画像検査:血管の閉塞具合などを調べる
      超音波検査:最も簡便な検査
      造影CT検査
      MRI検査

治療

  • 治療法は大きく3つに分けられる
    • 薬物療法
      抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)
      ・血管拡張薬
    • リハビリテーション
      ・運動を行い、血行をよくする
    • 手術
      カテーテル治療:風船やステントで血管を拡張させる
      血栓内膜除去術:動脈硬化となっている部分の血管から、沈着物を取り除いて通りを良くする
      ・バイパス手術:自身の血管や人工血管を使って、新たに血の通り道をつくる
      ・手足の血流が著しく低下して壊死に至った場合は、周囲への感染の広がりを食い止めるために手足の切断が必要となることがある
  • 対応、予防法
    • 規則正しい生活習慣と運動習慣
    • 手足が冷たいと血管が細くなるため、初期であれば温めることで症状が改善する

閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患)に関連する治療薬

PDE阻害薬(抗血小板薬)

  • 血液をサラサラにすることで血液が固まって血管がつまることを防ぎ、血栓の形成を予防する薬
    • 体内で血小板凝集が起こると血液が固まりやすくなる
    • 体内にホスホジエステラーゼ(PDE)という血小板凝集を進める酵素がある
    • 本剤はPDEを阻害するなどの作用により血小板凝集を抑え血液の流れをよくする抗血小板薬の一つである
  • 慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍疼痛、冷感などを改善する作用もある
  • 嚥下障害の改善効果なども期待できるとされる
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ADP阻害薬(抗血小板薬)

  • 血小板の活性化に基づく血小板凝集を抑え、血栓の形成を抑え血管をつまらせないようにする薬
    • 血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血栓ができやすくなる
    • 体内にADPという血小板凝集を促進させる物質がある
    • 本剤は血小板でのADPの作用を抑えることで、抗血栓作用をあらわす
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クマリン系抗凝固薬(ワルファリンカリウム製剤)

  • ビタミンKが関与する血液凝固因子の産生を抑え、血液を固まりにくくし、血栓ができるのを防ぐ薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 体内で血液を固める要因になる物質(血液凝固因子)の中にビタミンKを必要とするものがある
    • 本剤は体内でビタミンKの作用を阻害し、ビタミンKを必要とする血液凝固因子の産生を抑えることで抗凝固作用をあらわす
  • ビタミンKを多く含む食品などを摂取すると薬の効果が減弱する場合がある
    • 納豆、クロレラ、青汁などはビタミンKを多く含む
    • 本剤を服用中は上記に挙げた食品などを原則として摂取しない
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EPA製剤

  • 脂質合成を抑えたりトリグリセリド中性脂肪)の分解を促進する作用などにより、血液中の脂質を下げる薬
    • 肝臓においてコレステロールやトリグリセリドなどの脂質が合成されている
    • 体内のリポ蛋白という物質が代謝される際、リポ蛋白中のトリグリセリドなどが分解される
    • 本剤は魚の油を原料としたイコサペント酸(EPA)製剤で、脂質合成を抑える作用やリポ蛋白の代謝を促進させるなどの様々な作用をもつとされる
  • 血液や血管に対する作用に関して
    • 血液を固まりにくくする作用や血管の弾力性を保つなどの作用があるとされる
    • 閉塞性動脈硬化症やそれに伴う疼痛や冷感の改善などに使用する場合もある
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ビタミンE製剤

  • 血管の血流改善により血行をよくしたり、コレステロールを低下させることなどにより、頭痛、肩こり、冷えや動脈硬化などを改善する薬
    • ビタミンEは脂溶性(脂に溶けやすい性質)ビタミンで、体内で活性酸素の働きを抑える
    • 活性酸素が過剰になると体の老化や動脈硬化などをおこす場合がある
    • ビタミンEはコレステロールの排泄や末梢血管の拡張にも関わる
  • ビタミンEの欠乏が関与する脊髄小脳変性症などに使用する場合もある
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プロスタグランジンI2製剤(プロスタサイクリン製剤)

  • 血行を良くすることで、血行が悪い状態でおこる手足の冷たさやしびれ、痛みなどを改善する薬
    • 血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血行が悪くなり血栓ができやすくなる
    • 体内でプロスタグランジンI2(PGI2)という物質は血小板凝集を抑え、血管を拡張させる作用などをもつ
    • 本剤はPGI2の作用をもつ製剤で、血管拡張作用などをあらわす
  • 原発性肺高血圧症などの治療に使用する場合もある
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5-HT2拮抗薬(抗血小板薬)

  • 血小板や血管に作用し、血を固まりにくくし血流を良くして手足の冷たさやしびれなどを改善する薬
    • 血小板が凝集すると血液が固まりやすくなり血行が悪くなり血栓ができやすくなる
    • 血小板や血管の5-HT2受容体というものが活性化すると血小板凝集や血管収縮が促進される
    • 本剤は5-HT2受容体に拮抗的に作用しこの受容体の活性を抑える作用をあらわす
  • 動脈の血流悪化や動脈硬化などによる潰瘍治療などへ使用される場合もある
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ダビガトラン(直接トロンビン阻害薬)

  • 血液が固まる過程を阻害し、血栓の形成を抑え脳梗塞心筋梗塞などを予防する薬
    • 血液が固まりやすくなると血栓ができやすくなる
    • 血液凝固(血液が固まること)には血液を固める要因(血液凝固因子)が必要となる
    • 本剤は血液凝固因子の一つトロンビン(第IIa因子)を阻害し、血液の抗凝固作用をあらわす
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