2018.01.05 | ニュース

歩くと痛みで立ち止まってしまう「間欠性跛行」は運動で改善するか?

文献の調査から
from The Cochrane Database of Systematic Reviews
歩くと痛みで立ち止まってしまう「間欠性跛行」は運動で改善するか?の写真
(c) Radnatt - Fotolia.com

歩くと痛みが出て、休むとまた歩けるという症状は間欠性跛行(かんけつせいはこう)と言い、末梢動脈疾患などで現れます。運動により症状が改善する効果が検討されました。

末梢動脈疾患による間欠性跛行に対する運動の効果

末梢動脈疾患は、足などの血管に動脈硬化が進み、血液が流れにくくなった状態です。末梢動脈疾患により間欠性跛行の症状が現れることがあります。

イギリスの研究班が、末梢動脈疾患による間欠性跛行の治療としての運動の効果について、過去の研究データの調査を行い、結果を『The Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告しました。

この調査は、文献から研究データを集めて吟味したものです。間欠性跛行に対する運動の効果については1998年から同様の調査が繰り返し行われ更新されてきましたが、さらに最新版として調査がなされました。

 

歩ける距離が長くなり、生活の質が改善

調査の結果、以前の版にはなかった2件の研究など、基準を満たす32件の研究が見つかりました。

運動療法の内容は研究によってさまざまで、調べた期間は2週間から2年間でした。

9件の研究のデータから、運動をしないグループに比べて、運動をするグループでは痛みを感じることなく歩ける距離が平均で82.11m長くなると見られました。また10件の研究のデータから、歩ける最大距離は平均120.36m長くなると見られました。

血管の状態を示す足関節上腕血圧比(ABI)には差が確かめられませんでした。死亡率についても差が確かめられませんでした。

生活の質(QOL)を聞き取る質問票の調査結果について、身体的な側面(physical summary score)でも、精神的な側面(mental summary score)でも、6か月時点で運動をするグループのほうが生活の質が改善していました

 

間欠性跛行では運動するべき?

末梢動脈疾患による間欠性跛行に対する運動療法についての調査を紹介しました。歩ける距離が長くなり、生活の質が改善するという効果がデータから確かめられました。

 

実際には、末梢動脈疾患があって治療を必要とする人の状態はさまざまです。そのためひとりひとりの状態に適した治療を選ぶ必要があります。足の状態などによって運動が適切でないと判断される場合も考えられます。

また、ほかに間欠性跛行を現す病気として脊柱管狭窄症などもありますが、上で紹介した調査は末梢動脈疾患による間欠性跛行だけを対象としています。

 

末梢動脈疾患で間欠性跛行がある場合に、治療法を考えるうえで、運動の効果を示すデータを参考にできるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Exercise for intermittent claudication.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Dec 26.

http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD000990.pub4/abstract

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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