はいさいぼうしゅよう
胚細胞腫瘍
生殖細胞から発生する腫瘍。タイプによって良性から悪性まであり、精巣、卵巣、頭蓋内、縦隔、後腹膜などに発生する
5人の医師がチェック 160回の改訂 最終更新: 2017.10.13

胚細胞腫瘍の基礎知識

POINT 胚細胞腫瘍とは

胚細胞腫瘍(はいさいぼうしゅよう)は生殖器(精巣、卵巣)や、身体の中心線にある臓器(脳、縦隔、後腹膜)に発生し、始原生殖細胞が腫瘍することです。 胚細胞腫瘍はほとんどが悪性腫瘍で生殖器にできる場合を性腺原発、それ以外を性腺外原発とに分けます。腫瘍ができた場所によって症状は異なり例としては脳の松果体などにできた場合は、吐き気や頭痛、精巣にできた場合は精巣の腫大などです。診断は血液検査(腫瘍マーカー)、CT検査、病理検査などで、抗がん剤、放射線療法、手術などを組み合わせて治療を行います。 胚細胞腫瘍はできた場所によった担当する科が変わりますが、まれな病気なのでいろいろな状況に対応できる大きな病院で診断や治療を行うことが重要です。

胚細胞腫瘍について

  • 精巣、卵巣で精子、卵子になるはずの始原生殖細胞が腫瘍化することが原因で発生する
  • 良く発生する部位:性線と性線外に分けられる
    • 性線:精巣と卵巣
    • 性線外:頭蓋内(松果体部や鞍上部、基底核など)、縦隔後腹膜、仙骨部など
    • 性線外に発生する場合、基本的に体の正中線上(真ん中)に発生することが多い
  • それぞれの詳細については下記参照
  • 症状は発生する部位、大きさや進展度、転移の有無と場所によって異なる
  • 良性のこともあれば、悪性で周りの臓器や離れた部位に転移することがある
  • 組織の病理によって分類され、良性か悪性か、あるいは治療法が異なってくる
    • 胚細胞腫(胚腫、ジャーミノーマ、セミノーマ、ディスジャーミノーマ)
    • 成熟奇形腫
    • 未熟奇形腫
    • 卵黄嚢腫
    • 絨毛癌
    • 胎児性
    • 混合型胚細胞腫瘍:上記の複数の成分が混じっている
    • なお、胚細胞腫(ジャミノーマ)はセミノーマとディスジャーミノーマの総称で、特に精巣に発生した場合はセミノーマ、卵巣に発生した場合はディスジャーミノーマと呼ぶ
  • 血液検査で腫瘍マーカーとして、β-HCG、AFPの上昇が見られる
  • 治療としては手術(外科的治療)、放射線療法化学療法がある
    • 患者によってそれぞれが組み合わされて治療が行われる

胚細胞腫瘍の症状

  • 発生する部位、大きさや進展度、転移の有無と場所によって異なる

胚細胞腫瘍の検査・診断

  • 画像検査
    • 超音波検査
    • レントゲン検査
    • CT検査
    • MRI検査
    • PET検査
  • 病理検査
    • 生検、手術によって採取された組織の病理を調べる
    • 病理検査によって診断が確定される
    • 治療方針を決定する上で、病理検査は必須である
  • 血液検査:腫瘍マーカーとして、β-HCG、AFPの上昇が見られる
    • AFPが高いほど病状は悪いことが知られている
    • 治療の効果を判定したり、再発を早く察知する上でも腫瘍マーカーの値は重要である

胚細胞腫瘍の治療法

  • 治療としては手術、放射線療法化学療法がある
    • 部位、組織、病期ステージ分類、リスク分類)によって、それぞれの治療の有効性が異なる
  • 一般的にジャーミノーマは放射線療法や化学療法が効果的である。治療後再発しないまま過ごす人も多い
    • そのため治療はジャーミノーマか、非ジャミノーマ(ジャーミノーマ以外の胚細胞腫瘍を含む)によって異なる
  • 上記の通り組織によって治療法が異なるため、生検や手術によって採取した組織の病理を調べることで診断が確定され、病状の見通しやその後の治療方針が決まってくる


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