かがくねっしょう
化学熱傷
化学薬品が皮膚や粘膜に触れることで起こる組織の損傷。やけどのような状態を起こすことから化学熱傷と呼ばれる
4人の医師がチェック 30回の改訂 最終更新: 2018.02.21

化学熱傷の基礎知識

POINT 化学熱傷とは

化学薬品が皮膚や粘膜に触れることにより、やけどのような状態を起こしてしまうことを指します。工場や実験室での事故によるものが多いですが、家庭でも消毒剤や漂白剤、サビ落としなどの誤使用で起こる場合があります。症状は原因薬剤や濃度、温度、接触時間によって異なりますが、一般的な熱傷(やけど)と同じように皮膚が赤く腫れたり、水ぶくれが出来たり、皮がむけたりする症状が主となります。診断は化学薬品に接触してしまったというエピソードと、皮膚の見た目から行います。治療としてはまずは速やかに皮膚から化学薬品を除去することが重要となります。大量の水道水で洗い流すことが一般的です。その後、塗り薬の使用や、程度によっては形成外科手術が検討されることもあります。化学熱傷が心配な方や治療したい方は救急科や皮膚科を受診してください。

化学熱傷について

  • 化学薬品が皮膚や粘膜に触れることで起こる組織の損傷
    • やけどのような状態を起こすことから化学熱傷と呼ばれる
  • 原因となる物質
    • 家庭用漂白剤
    • ガソリン
    • 灯油
    • クレゾール
    • フッ化水素
    • クロルピクリン
    • 農薬   など
  • 酸性の薬品よりもアルカリ性の薬品の方が重症になりやすい
    • 酸性は皮膚や粘膜と反応すると変性して固まるため熱傷が深くなることが少ないが、アルカリ性は組織を溶かしてしまう

化学熱傷の症状

  • 化学物質によって症状は変わる
  • 目に入った場合
  • 皮膚についた場合
    • 赤み、腫れ
    • びらん(ただれ)、潰瘍   など
  • 口に入った場合
    • 粘膜のただれ
    • 飲み込んだ場合にはショック症状が起こる場合などもある
  • フッ化水素が皮膚に付着し、深部まで達すると低カルシウム血症とそれによる不整脈などを起こすことがある

化学熱傷の検査・診断

  • 病歴と症状から診断する
  • 原因となる化学物質が不明な場合は、成分の分析が必要なので皮膚の表面や胃液、血液などを分析することもある

化学熱傷の治療法

  • 速やかに化学物質に触れた部位を徹底的に洗浄することが最も重要
    • 水を使って徹底的に洗い流し続ける
      ・アルカリ薬品の場合には特に長時間洗い流し続ける必要がある
      ・薬品が固形物になっている場合には、洗い流す前に拭き取る
      ・黄リンなど、ごく一部の物質は水で洗い流さないほうがよい
    • ガソリン、灯油、クレゾールは石鹸を使って洗う
  • 目に入った場合は角膜びらん角膜潰瘍を起こし、重症になると角膜に穴が空く(角膜穿孔)こともあるので、かならず洗浄後に眼科を受診する

化学熱傷の経過と病院探しのポイント

化学熱傷でお困りの方

化学熱傷は、化学薬品で皮膚などがただれてしまった状態です。薬品によって症状や対処法が異なり、例えばフッ化水素のような特殊な物質では、手足の化学熱傷が原因であっても心臓に影響が及び、不整脈が生じて命に関わることがあります。

工場や化学実験室などで薬品に触れてしまった場合、受診先の診療科としては、皮膚科か、重症の場合には救急科が適しています。その際は、なるべく化学物質の詳細が分かるものを持って病院を受診するのが良いでしょう。薬品の容器そのものがあると良いですし、詳細がわかるように写真を撮ってきてもらうだけでも参考になります。

薬品によっては水で中途半端に濡らしてはならないもの(黄リン)もありますが、一般論としては大量の水でしっかりと薬品を洗い流すことが重要です。応急処置を行った後は、病院で医師の判断を仰ぐことをお勧めします。

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