かがくねっしょう
化学熱傷
化学薬品が皮膚や粘膜に触れることで起こる組織の損傷。やけどのような状態を起こすことから化学熱傷と呼ばれる
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最終更新: 2022.07.10
化学熱傷の基礎知識
POINT 化学熱傷とは
化学薬品が皮膚や粘膜に触れることにより、やけどを起こした状態になることです。工場や実験室での事故によるものが多いですが、家庭でも消毒剤や漂白剤、サビ落としなどの誤使用で起こることがあります。症状は原因薬剤や濃度、温度、接触時間によって異なりますが、一般的な熱傷(やけど)と同じように皮膚が赤く腫れたり、水ぶくれが出来たり、皮がむけたりします。診断は化学薬品に接触してしまったというエピソードと、皮膚の見た目から行います。治療としてはまずは速やかに皮膚から化学薬品を除去することが重要です。大量の水道水で洗い流すことが一般的です。その後、塗り薬の使用や、程度によっては形成外科手術が検討されることもあります。化学熱傷が心配な人や治療したい人は救急科や皮膚科を受診してください。
化学熱傷について
化学熱傷の症状
化学熱傷の検査・診断
- 病歴と
症状 から診断する - 原因となる化学物質が不明な場合は、成分の分析が必要なので皮膚の表面や胃液、血液などを分析することもある
化学熱傷の治療法
化学熱傷の経過と病院探しのポイント
化学熱傷でお困りの方
化学熱傷は、化学薬品で皮膚などがただれてしまった状態です。薬品によって症状や対処法が異なり、例えばフッ化水素のような特殊な物質では、手足の化学熱傷が原因であっても心臓に影響が及び、不整脈が生じて命に関わることがあります。
工場や化学実験室などで薬品に触れてしまった場合、受診先の診療科としては、皮膚科か、重症の場合には救急科が適しています。その際は、なるべく化学物質の詳細が分かるものを持って病院を受診するのが良いでしょう。薬品の容器そのものがあると良いですし、詳細がわかるように写真を撮ってきてもらうだけでも参考になります。
薬品によっては水で中途半端に濡らしてはならないもの(黄リン)もありますが、一般論としては大量の水でしっかりと薬品を洗い流すことが重要です。応急処置を行った後は、病院で医師の判断を仰ぐことをお勧めします。