きかんしえん
気管支炎
気管支に炎症があり、咳や痰が出る状態。原因は細菌やウイルスの感染、アレルギーなどさまざま
8人の医師がチェック 82回の改訂 最終更新: 2023.12.28

気管支炎の症状について:咳、痰、発熱、息苦しさなど

気管支炎は肺への空気の通り道である気管支炎症が起きている状態を指します。症状としては咳が出やすいのが特徴です。ここでは気管支炎の症状について詳しく説明していきます。

1. 急性気管支炎の症状

大きく分けて、気管支炎には数日から数週間単位で発症する「急性気管支炎」と、数ヶ月から数年以上の単位で症状の続く「慢性気管支炎」があります。

単に気管支炎といった場合には急性気管支炎を指すことが多く、その原因はウイルス感染によるものが主体です。咳症状が出やすいのが気管支炎の特徴です。それ以外に出やすい症状も合わせてまとめると以下の通りです。

【急性気管支炎の症状】

  • 発熱
  • 悪寒
  • 倦怠感 など

急性気管支炎の際に、喉の痛みや鼻水などの症状が出ることもあります。しかし、これらは「急性上気道炎(かぜ症候群)」の症状であり、純粋な急性気管支炎の症状とは言えません。ただし、喉や鼻といった上気道の炎症が気管支まで波及して気管支炎を起こすことが多いため、急性上気道炎と急性気管支炎を厳密に分けることにさほど意味はないかもしれません。

上記のような症状で心配な人は、内科や小児科などを受診してください。急性気管支炎の多くは様子見で改善するため、症状が軽度であれば必ずしも医療機関にかかる必要はありません。また、かかるにしても呼吸器内科や感染症内科などの専門科である必要はありません。もし3,4日以上高熱が続くなど、改善が乏しい人では肺炎などになっている可能性もあるため、呼吸器内科をはじめとした専門科を受診するとよいと考えられます。

新型コロナウイルスSARS-CoV-2)などの感染症流行時では、これらの症状に対応できる医療機関が限られてくるため、受診前に電話で問い合わせて診てもらえるか確認すると安心です。

2. 慢性気管支炎の症状

単に気管支炎といった場合、通常は急性気管支炎を指します。一方で、タバコが原因で発症するCOPD肺気腫)などのように慢性気管支炎という状態も存在します。慢性気管支炎では月〜年単位で気管支の炎症が持続し、以下のような症状が出現します。

【慢性気管支炎の症状】

  • 息切れ
  • 体重減少 など

これらの症状が長引くときには、まずはかかりつけ医あるいは呼吸器内科のお医者さんに相談してください。また、慢性気管支炎の原因としては喫煙によるものが有名です。もし喫煙しているならば、今日からでもさっそく禁煙してください。喫煙本数を少しずつ減らそうとするのは禁煙失敗に繋がりやすく、気管支炎の治療としても不適切です。禁煙すると思い立ったら、完全に禁煙するようにしてください。自力で禁煙するのが難しい人は、禁煙外来でお医者さんとも相談しつつ、禁煙補助薬の力も借りてチャレンジすることもできます。(禁煙外来を行なっている医療機関はこちらから調べられます。)