気管支炎の検査について:血液検査、レントゲン検査など
1. 問診、診察
気管支炎には、急激に症状がでる「急性気管支炎」と、数ヶ月〜数年以上の単位で症状が続く「慢性気管支炎」があります。単に気管支炎と呼んだ場合には急性気管支炎を指すことが一般的であり、以下でも特に断らなければ急性気管支炎を念頭に説明していきます。
気管支炎の多くは喉や鼻で風邪を起こしているウイルスによる炎症が、気管支まで波及することによって起こります。気管支に炎症を起こすことにより、単なる風邪よりも咳症状が目立ちやすいのが特徴ですが、全体としては軽い症状で済むことも多いです。そのため、お医者さんの
一方で、気管支炎でもウイルスではなく
【細菌性の気管支炎や肺炎が疑われる特徴】
- 38℃以上の高熱
- 発熱が3,4日以上持続
- ドロっとした黄色い痰
聴診 での呼吸音異常 など
細菌性の気管支炎や肺炎の人では
2. 血液検査
血液検査は比較的簡単に実施できる検査であり、多くの医療機関で行われています。実際にウイルスや菌そのものが検出できたり、気管支の様子が分かるわけではありませんが、全身の炎症の程度や、隠れた病気の有無を探るのに役立ちます。
また、ウイルスや菌そのものではなくても、それらの病原体に対する
3. 胸部レントゲン(X線)検査
胸部レントゲン検査は、気管支炎の検査において最も中心的な役割を果たすと言えます。
肺炎がある人とない人では、気管支炎の原因となっているウイルスや菌が違うことが多いですし、抗菌薬の必要性も変わってきます。そのため、気管支そのものの様子は分からなくても、肺炎の有無を判定できる点でレントゲン検査はとても有用と言えます。
4. 胸部CT検査
一方で肺炎に対する検出力はとても高いので、CT検査を行う主な目的は気管支炎そのものを確認するというよりは、肺炎など他の病気の有無を確認すること、と言えます。
5. ウイルス学的検査
急性気管支炎の多くはウイルス感染によるものであり、基本的には自然
しかし、下記のようなウイルスによる気管支炎の可能性があるときは、感染管理の観点や、重症化リスクの観点からウイルスを特定する検査を行った方がよいこともあります。
【主なウイルス学的検査の対象】
インフルエンザウイルス - 新型
コロナウイルス (SARS-CoV-2) アデノウイルス - RSウイルス(1歳未満)
- ヒト・メタニューモウイルス(6歳未満) など
ウイルスは喉や鼻をぬぐったものから検出することが多く、短時間で結果の出るキットを使うこともあれば、検査機関で数日以上かけて調べることもあります。
6. 細菌学的検査
急性気管支炎の多くはウイルスが原因です。しかし、高熱が続く、症状が長引くなどの理由で細菌感染による気管支炎が疑われる人では、細菌を検出するための検査が考慮されます。具体的には、以下に挙げるような細菌がチェックされます。
【主な細菌学的検査の対象】
これらは血液検査や、喉のぬぐい液などから検出されます。また、肺炎を起こすような菌も検出するためには、痰を採取して検査することもあります。
7. 呼吸機能検査
急性気管支炎の人は通常行わない検査ですが、慢性気管支炎の人はしばしば行う検査です。数ヶ月から数年以上の単位で気管支が炎症を起こすと、気管支の内腔が狭くなるなどさまざまな理由で呼吸機能に影響が出てくるからです。