じんふぜん
腎不全(総論)
腎臓の障害によって、血液から老廃物を取り除く機能が低下した状態を指す。急性腎障害と慢性腎臓病に大きく分かれる
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最終更新: 2023.04.14
腎不全(総論)の基礎知識
POINT 腎不全(総論)とは
腎臓の機能が低下することです。機能低下が進むと、体のむくみや、尿量の減少、呼吸困難などの症状が現れます。治療が原因によって変わるので、血液検査や、尿検査、超音波検査、CT検査などで原因を特定します。腎不全の治療は主に腎臓内科、泌尿器科で行われます。
腎不全(総論)について
腎不全(総論)に関連する治療薬
高リン血症治療薬(血中リン排泄促進薬)
- リンを吸着し、リン排泄を促すことで高リン血症を改善し、動脈硬化や骨折などを予防する薬
- 慢性腎臓病では腎臓の機能が低下することで体内にリンが蓄積し高リン血症がおこる
- 高リン血症では血管や関節などの石灰化により動脈硬化や関節痛などがおこりやすくなる
- 高リン血症では副甲状腺ホルモンの過剰分泌がおこり、これにより骨がもろくなる
- 本剤は消化管内でリンと結合し、この結合物質が体外へ排泄されることで結果として体内のリン量を減らす効果をあらわす
活性型ビタミンD3製剤
- 小腸からのカルシウム吸収を促進させ、骨量の減少を抑え骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
- 骨粗しょう症では骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れ骨がもろくなってしまう
- ビタミンDは活性型ビタミンD3となると、小腸からのカルシウムの吸収を促進させ骨量の減少を抑える
- 本剤は体内で活性型ビタミンD3とほぼ同様の作用をあらわす
- 続発性(二次性)副甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能低下症などに使用する薬剤もある
陽イオン交換樹脂製剤(血清カリウム抑制剤)
- 腸管内で薬剤のもつ陽イオンをカリウムイオンと交換し、カリウムイオンを体外へ排泄させて血液中のカリウム値を下げる薬
- 慢性腎臓病では腎臓の機能低下により血液中のカリウム値が高くなりやすくなる
- 血液中のカリウム値が高いままだと高カリウム血症がおこりやすくなる
- 本剤は腸管内でカリウムイオンを本剤のもつ陽イオンと交換し、体外へ排泄させる樹脂製剤
腎不全(総論)の経過と病院探しのポイント
腎不全(総論)が心配な方
腎不全とは病名ではなく、腎臓の機能が低下していることを指す言葉です。急性腎障害、慢性腎臓病が腎不全に関連する病名ですが、いずれの場合も腎不全になった原因が別にありますので、そちらの診療科や専門医からの治療を受けることになります。なお、数日単位で出現したものが急性腎障害、腎機能が低下した状態が3か月以上続いているものが慢性腎臓病です。
腎不全の原因の診断には血液検査や尿検査、画像検査を行います。
血液検査と尿検査ができることはもちろんですが、急性腎障害あるいは慢性腎臓病になった原因を調べるために、腹部エコー、腹部CT、胸部レントゲン、胸部CT、心電図、心エコーなど、様々な検査を必要に応じて行います。そのような意味で、どんな原因であっても対応ができる地域の中核病院が良いでしょう。