じんけっかんせいこうけつあつしょう
腎血管性高血圧症
腎動脈(腎臓に血液を送り出す血管)が狭くなることによって生じる高血圧
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最終更新: 2022.02.15
腎血管性高血圧症の基礎知識
POINT 腎血管性高血圧症とは
腎動脈(腎臓へ血流を送る血管)が狭くなり、腎臓への血流が低下することで起こる高血圧症のことで、レニンという物質が関係しています。レニンは腎臓への血流が少なくなると分泌されます。レニンには血圧を上げる作用があり、高血圧症を起こします。腎血管性高血圧症の主な原因は動脈硬化や大動脈炎などです。血圧の上昇以外は特に症状はありません。無症状ではあるのですが、高血圧症が長期に続くと、心臓や腎臓などの機能低下につながります。薬物療法や食事療法などが治療の中心になりますが、必要に応じてカテーテルで血管の中を広げる治療を行うことがあります。腎血管性高血圧症が気になる人は腎臓内科を受診してくてください。
腎血管性高血圧症について
腎血管性高血圧症の症状
- 高血圧
- 血圧が高くなかった人が、急激に血圧が高くなる
- 元々あった高血圧が急激に進行する
腎血管性高血圧症の検査・診断
腎血管性高血圧症の治療法
- 降圧薬で血圧を下げる
- ACE阻害薬
- ARB
- カルシウム拮抗薬
- β遮断薬
- 手術
- 血管形成術:カテーテルを用いて血管に
ステント を留置することで血管を広げる
- 血管形成術:カテーテルを用いて血管に
- 次のようなことが予防につながると考えられている
- 規則正しい生活を送る
- 減塩した食事をとる
- ストレスを溜めない
- 適正体重の維持する
- 長期間の高血圧は、心臓疾患や腎臓疾患、脳血管疾患を引き起こすため、早めに専門医の診察を受けることが重要である
腎血管性高血圧症に関連する治療薬
ARB
- 体内の血圧を上げる物質の働きを抑えることで血圧を下げる薬
- 体内の血圧上昇や心筋の肥大化などに関わるアンジオテンシンIIという物質がある
- アンジオテンシンIIはアンジオテンシン受容体(AT受容体)に結合することでその生理作用をあらわす
- 本剤はAT受容体への阻害作用により、アンジオテンシンIIの働きを抑え降圧作用などをあらわす
- 心臓や腎臓などを保護する作用なども期待できるとされる
- 薬剤によっては慢性心不全や腎疾患などに使用する場合もある
- ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬に比べて、副作用の咳(空咳)などが少ないとされる