せいちょうほるもんぶんぴつふぜんせいていしんちょうしょう
成長ホルモン分泌不全性低身長症
成長ホルモンの分泌が正常より少ないために低身長となる病気
4人の医師がチェック 42回の改訂 最終更新: 2017.06.15

成長ホルモン分泌不全性低身長症の基礎知識

成長ホルモン分泌不全性低身長症について

  • 成長ホルモンの分泌が正常より少ないために低身長となる病気
    • 9割以上の場合が原因不明である
    • 原因がはっきりしているものとしては、頭蓋咽頭腫などの脳腫瘍がある
    • 稀に成長ホルモンや、成長ホルモン放出因子の遺伝子異常、下垂体の発生の異常が原因となっていることもある
  • 成長ホルモンは、脳の下垂体という部分から分泌される
    • 成長ホルモンには子供の身体を成長させる「成長促進作用」と、脂肪やたんぱく質、糖質などの代謝を整える「代謝調節作用」がある
  • 低身長自体は同性、同年齢の100人に2〜3人
    • 低身長の中で、成長ホルモン分泌不全性低身長は5%以下
  • 6〜17歳では男児1万人あたり2.14人、女児1万人あたり0.71人
    • 男女比は3:1で男児の方が多い
  • 分泌不全の程度により、重症、中等症、軽症の3つに分けられる
  • 身体の成長は遅れるが、知能は正常である

成長ホルモン分泌不全性低身長症の症状

  • 低身長
  • 生まれつき成長ホルモン分泌不全がある場合には、新生児の時に低血糖が起こることがある
  • 成長ホルモン以外の下垂体から分泌されるホルモンも分泌不全になっていることがある
    • 甲状腺刺激ホルモンが分泌不全になれば甲状腺機能低下症
    • 性ホルモンが低下すれば性機能低下症
    • 副腎皮質刺激ホルモンが低下すれば副腎機能低下症
    • 抗利尿ホルモンが低下すれば尿崩症

成長ホルモン分泌不全性低身長症の検査・診断

  • 成長障害があるかどうかを判定する
    • 身長SD(標準偏差)スコアがマイナス2SD以下
    • 2年間の成長速度SDスコアがマイナス1.5SD以下
    • 手首のレントゲン写真で骨年齢を確認する
  • 成長ホルモン分泌刺激試験
    • 以下のホルモン、薬剤を用いて、成長ホルモンがどの程度分泌されるかを確認する
      インスリン、アルギニン、グルカゴン、クロニジン、L-ドーパ、GHRP-2
    • このうち2つ以上の試験で成長ホルモンの分泌不全があった場合に診断される
  • 次の3つの場合は、成長ホルモン分泌刺激試験の1つで成長ホルモン分泌不全があれば成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断する
    • 新生児の低血糖がある場合
    • 脳腫瘍などがある場合
    • 他の下垂体ホルモンの分泌不全症がある場合
  • 以下の様な検査所見も確認する
    • インスリン様成長因子 (IGF-1) やIGF結合タンパク (IGFBP-3) の低値
    • 骨年齢が暦年齢に比べて80%以上遅れている
    • 尿中の成長ホルモンの値が低い
    • 睡眠時、または1日の中での成長ホルモンの分泌低下

成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療法

  • 成長ホルモンの注射
    • 成長ホルモンを毎日寝る前に自己注射する
    • 成長ホルモンが足りない分を注射することで補う
  • 平均的な水準の身長まで成長することは難しい
  • 長期間治療した子供の成人期の平均身長は、男性160cm、女性148cmと言われいている

成長ホルモン分泌不全性低身長症に関連する治療薬

下垂体ホルモン製剤(成長ホルモン製剤)

  • 成長ホルモンを体内に補うことで、低身長、骨の異常、筋力低下などの症状を改善する薬
    • 下垂体から分泌される成長ホルモンは背を伸ばしたり、筋肉、骨などを強くしたりする働きをもつ
    • 何らかの理由により成長ホルモンの分泌が不足すると、低身長や骨の変形などの症状があらわれる場合がある
    • 本剤は成長ホルモン製剤であり不足している成長ホルモンを体内に補う作用をあらわす
  • 慢性腎不全などにおける成長ホルモンの補充目的で使用する場合もある
下垂体ホルモン製剤(成長ホルモン製剤)についてもっと詳しく

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