せいちょうほるもんぶんぴつふぜんせいていしんちょうしょう
成長ホルモン分泌不全性低身長症
成長ホルモンの分泌が正常より少ないために低身長となる病気
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最終更新: 2023.07.30
成長ホルモン分泌不全性低身長症の基礎知識
POINT 成長ホルモン分泌不全性低身長症とは
成長ホルモンの分泌が正常より少ないために、低身長となる病気です。脳腫瘍が原因になることがありますが、ほとんどの人の原因ははっきりとはしません。身長が伸びないこと以外には特に症状はないことが多いです。成長ホルモンの注射をすることで身長を伸ばせることができますが、平均的な身長に達するのは難しいと考えられています。成長ホルモン分泌不全性低身長症が心配な人は小児科を受診してください。
成長ホルモン分泌不全性低身長症について
- 成長
ホルモン の分泌が正常より少ないために低身長となる病気 - 成長ホルモンは、脳の下垂体という部分から分泌される
- 成長ホルモンには子供の身体を成長させる「成長促進作用」と、脂肪やたんぱく質、糖質などの
代謝 を整える「代謝調節作用」がある
- 成長ホルモンには子供の身体を成長させる「成長促進作用」と、脂肪やたんぱく質、糖質などの
- 低身長自体は同性、同年齢の100人に2〜3人
- 低身長の中で、成長ホルモン分泌不全性低身長は5%以下
- 6〜17歳では男児1万人あたり2.14人、女児1万人あたり0.71人
- 男女比は3:1で男児の方が多い
- 分泌不全の程度により、重症、中等症、軽症の3つに分けられる
- 身体の成長は遅れるが、知能は正常である
成長ホルモン分泌不全性低身長症の症状
成長ホルモン分泌不全性低身長症の検査・診断
- 成長障害があるかどうかを判定する
- 身長SD(標準偏差)スコアがマイナス2SD以下
- 2年間の成長速度SDスコアがマイナス1.5SD以下
- 手首の
レントゲン 写真で骨年齢を確認する
- 成長
ホルモン 分泌刺激試験- 以下のホルモン、薬剤を用いて、成長ホルモンがどの程度分泌されるかを確認する
インスリン 、アルギニン、グルカゴン、クロニジン、L-ドーパ、GHRP-2
- このうち2つ以上の試験で成長ホルモンの分泌不全があった場合に診断される
- 以下のホルモン、薬剤を用いて、成長ホルモンがどの程度分泌されるかを確認する
- 次の3つの場合は、成長ホルモン分泌刺激試験の1つで成長ホルモン分泌不全があれば成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断する
- 以下の様な検査
所見 も確認する- インスリン様成長因子 (IGF-1) やIGF結合タンパク (IGFBP-3) の低値
- 骨年齢が暦年齢に比べて80%以上遅れている
- 尿中の成長ホルモンの値が低い
- 睡眠時、または1日の中での成長ホルモンの分泌低下
成長ホルモン分泌不全性低身長症の治療法
成長ホルモン分泌不全性低身長症に関連する治療薬
下垂体ホルモン製剤(成長ホルモン製剤)
- 成長ホルモンを体内に補うことで、低身長、骨の異常、筋力低下などの症状を改善する薬
- 下垂体から分泌される成長ホルモンは背を伸ばしたり、筋肉、骨などを強くしたりする働きをもつ
- 何らかの理由により成長ホルモンの分泌が不足すると、低身長や骨の変形などの症状があらわれる場合がある
- 本剤は成長ホルモン製剤であり不足している成長ホルモンを体内に補う作用をあらわす
- 慢性腎臓病などにおける成長ホルモンの補充目的で使用する場合もある